
──今後のジャーナリズムはどうあるべきか。2人が描く未来像を聞いた。
ジャーナリズムは“二極化”しながら広がる
須賀川拓:
今、初めて出てくるような情報を取ってくるのか、もしくは本当に深い、人の心のひだに触れるような話を取材するのか。これからのジャーナリズムは二極化しながら、もっと広がっていくのではないかと僕は思っています。
僕は昔から、情報を取ってくるのは超ポンコツなんです(笑)本当にひどいんですよ。全然、ダメなんです。ですけど、それこそ2年から3年、潜伏して話を取材する方が僕は好きなので、いわゆる調査報道とか、そっちの方に軸足を置いていきたいと思っています。僕が何かニュース速報とかやろうとすると多分、誤報が出ちゃうので、やめた方がいいです(笑)
検索しても出てこないものを、ちゃんと自分たちの手でつかむこと
堀潤:
検索しても出てこないものを、ちゃんと自分たちの手でつかむことが大切だと思っています。AIの時代になって、どんどん色んなものが自分の手を離れていってしまう。かつ自分で生産してないのに、その成果物だけ手に入るような時代になってしまうかもしれない。
ですけど、やはりそこにある「オリジナル」は、その人の尊厳であり、我々の尊厳でもあるので、そういうものをすごく大事にする、取材者が存在し続けることがいいと思います。
あと、現場に行くと「本当にこの世の中捨てたもんじゃないな」と希望を感じることの方が多いです。いつも希望を見せてくれるのが、一番、過酷な状況にいる人たちなんで。そういう人たちに寄り添って、次の世代も、その次の世代も、繋がっていければと思いますよね。
【プロフィール】
<堀潤>
ジャーナリスト。NHKを経て市民ニュースサイト「8bitNews」を設立。
<須賀川拓>
TBS報道局所属。news23専属ジャーナリスト。