越村教授の挑戦続く

越村教授は今後5年以内に、20分ほどかかる予測を5分に短縮したいとしています。一方で、その道のりは単純ではないといいます。

東北大学災害科学国際研究所 越村俊一教授:
「デジタルツインという考え方は、もう今あらゆる分野で活用されてるんですね。ところが、防災分野では残念ながらもう始まったばかりという状況です。人の動きのデータ、我々社会の動きのデータのコピーがやっぱり難しいわけですよね。だから、そこをクリアしていかないと、やっぱり被災地全体のデジタルツインを作るっていうのは難しいということになります。そこも、チャレンジしているところですね」

津波が来る前に危険な地域を判定し、素早い避難につなげるために。越村教授の挑戦は続きます。

システムには、リアルタイムの人流データも活用されていて、能登半島地震が発生してすぐ、人の量が沿岸から高台へ活発に移動したことが確認できました。越村教授は、東日本大震災の教訓が生かされていると実感したと話し、また、被害の大きさの予測や人流の把握で、適切に災害支援物資を配分することができるとも話しています。越村教授は、防災だけでなく、災害支援にもシステムを活用できるよう開発を進めたいとしている。