「うまく笑えない」「会話が雑に」 「ミスが起きた」業務に支障も

では立ち仕事の運動量はどのくらいのカロリーを消費するのでしょうか。▼コンビニ店員、アパレル販売員などは1470キロカロリー ▼ホテル客室業務1680キロカロリー ▼料理人1050キロカロリーで、▼デスクワークは630キロカロリーになるそうです。
(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所を基に作成 ※体重50キロの人が8時間働いた場合 消費カロリーに換算)

立ち仕事の方には座りたい“あるある”があるそうです。例えばケーキのショーウィンドウの後ろで店員さんがお客さんに見えないように、こっそり休憩をしていたり、立ち仕事で疲れると、座れる作業が取り合いになることもあるそうです。

私は今、“接客用イス”に座ってプレゼンをしていますが、この姿を皆さんはどのように思われますか?

南波雅俊キャスター:
ドカッと座っている感じではないので違和感はありません。自然と見ることができるのではないでしょうか。

加藤キャスター:
マイナビの調査によりますと、接客中に座れないことで「業務に影響が出ている」と答えた人は32.2%もいたそうです。▼うまく笑えなくなった15.9% ▼会話が雑になった12.4% ▼ミスが起きた7.8%と、看過できない理由となっています。

さらに「接客中にイスを導入しない理由」として▼お客さんからの印象悪化の防止33.8% ▼特に理由なし25.6% ▼勤務態度に影響が出るから17.3%などがあげられているそうです。

SNSでも印象に関する声があがっています。
「座って接客は印象良くないです。接客態度が悪い」
「座っていたら客に失礼。効率も悪すぎる」

韓国では2011年に「産業安全保健基準に関する規則」という法律ができました。韓国メディアによりますと、立ち仕事をする人が作業中でも座れるよう、椅子を設置しなければいけないという、罰則なしの“努力義務”が課されているそうです。

南波キャスター:
2月にスリランカへ旅行に行きましたが、スーパーでレジを担当している方は座っていました。

東京大学 斎藤幸平 准教授:
レジは座っていてもできますので、つらい思いをする必要はありません。ずっと同じ場所で、しかも中腰になったり、本当にかわいそうです。日本でも座ることが労働者の権利として認められるべきだと思います。

私は1時間くらい立ったまま授業をしていますが、試験監督の場合は、1か所でずっと立っていないといけないので、つらいですね。

山内あゆキャスター:
先生の「座る権利」も求めないといけませんね。

南波キャスター:
コロナ前は会社に行って仕事をしていましたが、コロナ禍になってテレワークが当たり前になりました。立ちっぱなしの仕事もいつか、座って仕事をするのが当たり前になるのではないでしょうか。

東京大学 斎藤幸平 准教授:
日本の労働人口が減り、人手不足がすでに言われている中で、接客業では人材の取り合いになっています。座って仕事ができるようにするなど、労働者にとって魅力的な職場を提供することは、一つのきっかけになるのではないでしょうか。