刀剣の歴史に迫る発見 巨大蛇行剣に「剣」と「刀」両方の特徴
2023年11月、作業は順調に進み、柄周辺の漆の痕跡がさらにはっきりと浮かび上がっていた。
岡林孝作学芸アドバイザーも状態の良さに目を見張る。
奈良県立橿原考古学研究所 岡林孝作 学芸アドバイザー
「ここちゃんと残ってるね。こんなに残ってるの滅多にないね。こんなに開く鞘口、蛇行剣だからでしょうね」

大きく広がった鞘の入口の漆。蛇行した剣をおさめるために広がった独特の形状が見て取れる。
そして、問題の柄の部分。日本の刀剣の歴史に迫る発見があった。

まず、柄の縁についた突起。これは蛇行剣のような「剣」にみられる特徴であるという。

一方で、この柄頭と呼ばれる部分。今は上から見た形しか分からない。だが、側面は楔形の形状である可能性が高いという。実はこの「楔形柄頭」は「剣」ではなく「刀」に備わっている特徴だという。
「剣」は相手を突き刺し、「刀」は相手を切る武器で、時代が進むと柄などの装具が異なっていく。巨大蛇行剣は「剣」と「刀」の特徴を併せ持つものだということが初めて分かった。














