「ただ良いボールを投げる投手から、勝てる投手に成長」

 対する報徳学園の先発は、大角健二監督が「この1年で、ただ良いボールを投げる投手から、勝てる投手に成長してくれた」と信頼を寄せる今朝丸裕喜投手。緊張感からか立ち上がりこそ、ピンチを招きますが、緩い球を上手く使ってピンチを脱すると、その後は、140キロを超える速球を武器に、大阪桐蔭の強力打線を抑えます。

 それでも、投打ともに分厚い戦力を誇る大阪桐蔭。立ち直りを見せていた平嶋投手に、5回表2死1塁の場面で早くも代打を投入、その後も、次々と選手を投入して必死の反撃を試みます。しかし、報徳学園の野手陣が、好守備を連発。鍛え上げられた守備力で、強力打線に得点を許しません。

 2対0のまま試合が進んだ終盤の8回、大阪桐蔭がようやくチャンスをものにします。ツーアウトから、1番境亮陽選手がスリーベースヒット。2番吉田翔輝選手が、しぶとくレフト前に運んで、ついに今朝丸投手から1点をもぎ取ります。

 1点差に迫り、迎えるバッターは大阪桐蔭打線の中でも、西谷浩一監督が最も信頼を寄せる3番徳丸快晴選手。ここで、大阪桐蔭が勝負に出ます。牽制の帰塁の際に肩を負傷した吉田選手に代わって、臨時代走で1塁に入った俊足の境選手が、2塁への盗塁を試みました。微妙なタイミングでしたが、報徳学園のキャッチャー徳田拓朗選手の好走球の前に判定はアウト。この場面でも好守にはばまれて、同点のチャンスを逃します。