大阪高裁はA氏に賠償命じる判決

 去年6月、大阪高裁はB医師の鑑定書を拠り所とし、A氏に賠償を命じる判決を言い渡した。判決は確定したがA氏から謝罪の言葉はなかった。

母親は神戸地検尼崎支部に“再起”を申し入れ


 そして今年7月27日。有友さんは6年前にA氏を不起訴処分とした神戸地検尼崎支部にいた。
 (尚子さんの母親 有友裕子さん)
 「なんで不起訴なのかと。『この事件は不起訴でいいんですか?』というのを(検察官には)もう少し確かめていただきたい。(A氏には)ちゃんと自分の罪を認めてもらって娘に謝罪の気持ちを伝えてもらいたいという思い」
 有友さんがしたのは“再起”の申し入れ。捜査が終結した事件でも、再起という検察の内部手続きにより再捜査ができるのだ。異例だが起訴へと発展した事例もあるという。

 罪に問えなかった事件でも、それが無実だったと言いきれるのか。有友さんは諦めない。娘の無念が晴れるまで。