状況を変えた“ある医師の鑑定書”

2審に向けて“A氏の暴行”と“尚子さんの死亡”との因果関係をどう立証するのか。複数の医師に鑑定依頼を出しては断られる日々が続いた。しかしB医師から届いた鑑定書が状況を一変させることになる。
(B医師による鑑定書の内容)
「搬送された病院での3DCTを見ると、明らかな脳動脈瘤は指摘できない。殴打されたことによりくも膜下出血を生じたのではないか」

B医師によると、尚子さんは顔面を殴打されたことで急激に首をひねり、脳に血液を送る動脈に亀裂が生じたという。その結果、脳を包む膜の中に血液がたまり、くも膜下出血が起きたというのだ。有友さんはこの鑑定書を新たな証拠として提出した。

(尚子さんの母親 有友裕子さん)
「この先生は神様だなと思って。娘がこういう理由で亡くなったんだなということは初めてわかって、これなら裁判に絶対に勝てるなと思いましたね」