「なぜこんな校則が?」「どこからが奇抜な髪形?」 きっかけはシンプルな疑問
高江洲莉里杏さん(「校則緩和」を提案した生徒の一人)
「ファーストペンギンというか、声を最初にあげることが大切だなと思います。そしたら、思っている人は一定数いると思うので」
「言えることが大切だと思います」
生徒のアンケートを読んで話し合う生徒たち
「同級生が私服を着ているとき表情が明るくなっているように見えたので、この取り組みはとてもいいと思った。うーーん、やっぱり表情が明るくなる」
「悪いところも書きたいんだよ。反対意見を特に大事にしよう」

球陽高校で週に1回に行われる「探究」の授業。4、5人のチームに分かれて、それぞれが決めたテーマを年間を通して「探究」していきます。テーマの範囲は、自身の「半径5m以内にある課題や困りごと」。
「校則緩和」を受け視察に来た県外の教員との会話ではこんな意見も。
仲本新さん
「一応無くすというのは俺たち考えてないんですよ、制服を無くすことは。“選択肢を増やす”ってことでやっていて、“選べる”っていうのが大事だと思っているので」
球陽の校則緩和のきっかけは、2年生の2つのチームが「校則」について探究を始めたからです。なぜ彼らは「校則」について考え始めたのでしょうか?
平良杏梨さん
「なんでこんな校則があるんだろうと思ったのがきっかけで」
「社会人になったらメイクするのに、なんで学校は高校生だからメイクをしてきちゃダメなのかとか」
仲本新さん
「奇抜な髪形って何?みたいな。どこからが奇抜なのか、定まっていないじゃないですか」
高江洲桜華さん
「球陽高校では体育祭や文化祭のときにメイクが許可されているんですよ。そのときの生徒の姿がとっても自信に満ち溢れていて生き生きしているなと感じたので、それを普段の学校生活でも取り入れたら、生徒の自己肯定感とか、学校に行くモチベーションが上がるんじゃないかと思って、探究を進めました」

目の前にある校則に根拠はあるのか。
多様性や個性を尊重する、時代に合った校則に作りなおすことはできないのか。
現状の校則に疑問を持ち、実際に「校則を緩和」したいと思い始めた生徒たちですが、それは簡単な道のりではありませんでした。