生徒たちがたどり着いた ”自分らしさ”の先にある校則とは
校則緩和が動き出した背景には、
▽実技や実習の時間はピアスなどの装飾品を外す
▽付け爪は体育などの安全面を考慮して禁止にする
など、安全や衛生面を考慮した最低限のルールを生徒自身が提案したことも大きく影響しました。

(「探究」授業を担当する川端俊一教諭と話し合う生徒たち)
川端教諭「保護者のアンケートも我々がやった、それも公開するよ」
生徒「ありがとうございます!」
川端教諭「結構8割がた、もっとか、9割がた賛成ではある、保護者も」
生徒「でも反対意見も聞いてみたい、何がダメなのか」
川端教諭「そうそうそう…」
賛成・反対、両方の意見に耳を傾けながら、「試験的な校則緩和」は今月21日まで実施され、その後も生徒や教職員、保護者も交えて話し合いを続ける予定です。

「探究」授業を担当する川端俊一教諭
「男らしく女らしく、球陽生らしく高校生らしくじゃなくて、“自分らしく”っていう、自分らしくってキーワードも生徒から出てきた言葉で、やっぱそれは時代に合った、まさしくそれはそうだなと思って」
河上愛留さん
「最終目標は、個性を尊重するためだったり、自分で考える力を育むためだったり、目的や理由をわかった上で実用化、校則を改定できたらいいなと思っています」
時代にあった、自身の成長につながる校則を模索する。
疑問に思い、議論を重ねる生徒たちの姿勢は、よりよい社会づくりにもつながっていきます。
【取材メモ】
▽球陽高校の「試験的な校則緩和」は今月21日でいったん終了し、元の校則に戻され、新年度以降も「より良い校則について」話し合いが続けられていきます。
▽今回「校則緩和」を提案した生徒たちは高校2年生。まもなく18歳となって選挙権が与えられます。社会について、なぜなのか疑問に思う、声をあげる。自分とは違う意見の人とも建設的な議論をして、より良い方向性を見つける。生徒たちの話し合う様子には、民主主義の根幹があるように感じました。
▽球陽高校は、国際的人材の育成をめざす文部科学省が「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の指定校で、その一環で行われているのが「探究」の授業です。生徒たちが決める「探究」テーマは、理系・文系と多岐にわたりますが、生徒たちの議論が深まるコツを担当教諭に聞くと、「教員が出しゃばらないこと」とのこと。
「大人の意見が入りすぎると、生徒たちの議論が途端に面白くなくなる」ことがあるんだそうです。子どもたちの自由な発想を引き出すために、生徒との距離をどう取るか、教員の皆さんもとても頭を使う授業なんだと話していました。