ダルビッシュ、覚醒の瞬間
日本ハムで7年間をともに過ごした2人。話題はメジャーへと繋がる覚醒の瞬間に。糸井はダルビッシュが成長していく姿を間近で感じていたという。
糸井:(ダルビッシュが先に)1軍に行って、どんどんどんどんダルの活躍を僕は見てたんですけど、あるターニングポイントがあったと思うんよね。すっげえ球になったし。
ダルビッシュ:結構言われたりするのは、2年目のプレーオフの前ですね。1位を決めるか何かっていうところ、札幌ドームのソフトバンク戦でリリーフに出てきたときに。
糸井:150キロをバンバン出して。
ダルビッシュ:直球がすごくいってて。
プロ2年目(2006年)のレギュラーシーズン最終戦。リリーフで登板したダルビッシュは、当時自己最速の150キロを4度もマーク。世間では、これが覚醒の瞬間と言われているが、本当のその瞬間は別の試合にあるという。
ダルビッシュ:あそこからって言われるんですけど、その前の試合、僕、千葉で投げてるんですよ。その前の試合でロッテ戦で投げてて、1球が左バッターの外低めにめちゃくちゃいい直球いったんですよ、そしたら150キロぐらい出て。
本当のターニングポイントは、世間で言われている最終戦の4日前、9月23日のロッテ戦。1回、1番・西岡剛に対して投じた150キロ近い外角低めのストレート。このボールから快進撃が始まったという。
ダルビッシュ:それまで150キロはあまり出てなかったのに、その感覚が自分の中に出てから、急に直球が良くなった。もうコンスタントに割と出るようになったので、そこからですね。
その翌年、ダルビッシュはリーグMVPと沢村賞、最多奪三振のタイトルに輝き、日本一の投手へと進化を遂げていく。
糸井:その後、体もまた大きくなって。1回覚えてるのが、シーズン終わって、スーツがもう背筋とかが・・・(ボタンが)閉まらないみたいな、めちゃくちゃ体がでかくなった年覚えてます?
ダルビッシュ:ありました。2010年が終わってからですね。シーズン中もやってましたけど最後の8月ぐらいから、トレーニングと並行して負荷をあげていって、オフに入った瞬間にさらにバーンって上げて、栄養もすごくとったんで、そこで大きくなりましたね。