裁判抱えるトランプ氏 司法長官は「自分の思い通り動く」人物に

主要閣僚の顔ぶれはどうなりそうなのか。アメリカの上院議会は共和党が多数派に返り咲くことが予想されている。そうすると、トランプ氏の“望み通り”に閣僚候補が承認されることになる。

マイク・ポンペオ前国務長官

【司法長官】4つの事件で起訴されているトランプ氏は、思い通りに動く司法長官を指名する必要がある。そうした状況を踏まえ、渡辺調査部長は、スティーブン・ミラー元大統領上級顧問やマイク・デービス元上院スタッフ、マイク・リー上院議員などが「噂されている」と明かす。

【国防長官】トランプ氏の軍派遣の指示などで冷静な対応が可能なのか、世界の安全保障の面で注目されるポストだ。また、1期目では戒厳令を発行することなどもホワイトハウスで議論されたこともあり、アメリカ国内の情勢の面からも非常に重要なポストである。こうした状況も踏まえ、渡辺調査部長は、トム・コットン上院議員やリンゼー・グラハム上院議員、ロバート・オブライエン前国家安全保障問題担当大統領補佐官(NSA)、チャッド・ウォルフ元国家安全保障長官代行などが候補として取りざたされているという。

【国務長官】外交を担う重要な閣僚であるが、1期目にトランプ氏と働いたマイク・ポンペオ前国務長官やリチャード・グレネル元駐ドイツ大使が候補だという。

ライトハイザー前USTR代表(右)

【財務長官】経済政策の要のポスト。ロバート・ライトハイザー前USTR代表、デビッド・マルパス前世銀総裁の名前が挙がっている

【USTR代表】通商政策の司令塔。関税を重視するトランプ氏にとっては重要なポスト。ロバート・ライトハイザー前USTR代表が重要ポストを握る場合、CJマホニー元USTR次席代表などライトハイザー氏の元部下を配置する可能性がある

【エネルギー長官】民主党の中道派でバイデン大統領とは距離のあるジョー・マンチン上院議員が狙っているといった憶測もある。最近、トランプの私邸マールアラーゴを訪問したと噂されている。

そして、渡辺調査部長がもう1人に言及したのが、トランプ氏の娘婿についてだ。

渡辺調査部長
「トランプ氏の娘婿のジャレッド・クシュナー氏は本人が『2期目の政権に戻らない』と先月、断言していましたが、戻ってくるとの見方が有力です。」

キャリア官僚 解雇しやすくする可能性も

アメリカの政府職員は大きく分けると3種類に分類される。
1.上院で承認を必要とする政府高官
2.ホワイトハウスも含め行政府で勤務の政治任用の高官(上院の承認は不要)
3.一般の政府職員

このうち、2番目として記載した政治任用の職員について第二次トランプ政権では10倍の規模に拡大する構想があるという。

渡辺調査部長
「政策立案に関わるキャリア官僚を『スケジュールF』と呼ばれる政治任用のカテゴリーに切り替え、大統領が解雇しやすくし、トランプ氏に忠実な人物を起用する可能性が指摘されています。