輪島の7階建てビルはなぜ倒れたのか

東大地震研究所の楠教授は、能登で倒れたり傾いたりしたビルの多くで地下にある杭が壊れた可能性を指摘する。番組では、7階建てのビルがどのようにして倒れたのか、楠教授が推定したシナリオをCGで描いた。

震度7の激しい揺れによって、右側の杭が地中で折れると、建物は支えを失い傾き始める。

その後、左側の杭は基礎から抜ける。建物の右側は地面に更に沈み込みながら倒れ、建物は最終的に完全に横倒しになった。建物の1階から5階までが地面にめり込んだ。

国土交通省が1月に行った調査では、東側の杭が地下1メートルほどの場所で折れている可能性があることがわかった。杭は直径35センチ、中空部を持つ円筒形で、西側におよそ30°傾斜した形で地表に露出しているのが見つかった。

東大地震研 楠教授
「昔の杭は今のように厳しく計算をするということがまだ行われていなかった時代のものもありますので、それ相応の地震力で壊れてくるということになります。」
古い基準で作られ、今より強度が低い杭は全国に大量に残されているという。