ゼレンスキー大統領は「機会主義者」

―――ゼレンスキー大統領は国民にどれだけ信頼されているのか。キーウ国際社会学研究所の調べによりますと、大統領を「信頼している」と回答した人の割合は、2022年2月に37%だったのが5月に90%となり、そこから少しずつ落ちていて、今年2月で64%となっていますが?
(岡部芳彦氏)「戦争が始まったときは9割。岸田総理の支持率は今10%台だかわかりませんけど、日本もそれほど高いわけではないので、まだ比較的、ウクライナではずいぶん高いなと思います」
(中村逸郎氏)「岡部先生ね、ロシアの独立系メディアのニュースによりますと、ゼレンスキー大統領の任期が3月末で終わり、そしてゼレンスキーさんの人気が少しずつ落ちてきているということで、3月末にゼレンスキーさんの任期が終わったときに、政権内でイェルマーク大統領府長官とゼレンスキーさんの間で何かいざこざが起こるのではないかと。そういう情報がロシアの独立系メディアから出ていますが?」
(岡部芳彦氏)「イェルマークは事実上の副大統領だって言われるぐらい力があるんですね。ゼレンスキーも彼だけは信用してるっていう形なんですけど、ちょっとそれはわかんないんですね。独立系メディアに確かに出ていますね。独立系メディアは結構反ロシア的なことも書いてくれるんですけど、偽情報もロシア政府が流すと載せちゃうこともあるので、そこはちょっと用心しないといけないと思います」
―――「信頼している」という割合がちょっとずつ下がってきている。これを受けてゼレンスキー大統領は今どんなことを考えているのでしょうか?
(岡部芳彦氏)「これはですね、非常に重要なことなんですけど、『何も考えていない』です。これちょっと説明します。以前からよく言ってきたことなんすけど、よくゼレンスキーってコメディ俳優だったので人気者だからポピュリストだってあるじゃないすか。あれはちょっと間違いでして、オポチュニストなんです。機会主義者なんですね。機会主義者ってどんな政治家かっていうと、例えばAとBっていう選択肢があって、Aが有利だと思ったら自分の思想信条と関係なくAをとる。Bが有利だったらBをとっていくという手法なんです。この戦争が始まったときには、占領された領土を取り戻したらこの戦争は終わりだって言ってたんですけど、戦争の最初の年の夏頃からちょっと軍事支援が来たら、クリミアまで取り戻すぞと目標が変わるんですね。これは機会主義だから変わっていくと。『何も考えてない』というとちょっとこの人大丈夫かと思うかもしれないが、そうではなくて、その時々で有利な選択肢を選ぶ政治手法です」
(武田一顕氏)「なんかゼレンスキーさんの周りって、おべっか使いみたいになっていませんか。この間、司令官を更迭しましたよね。日本に来ていたシュミハリ首相についても、記者会見とかを見た人に聞いたら、結構数字には強いけど、別に戦時司令官というか戦時の政治家って感じは全くしないと。そうするとなんかゼレンスキーさんは長くなってきて、周りにおべっか使いばっかりになってるとかそういうことはないですか」
(岡部芳彦氏)「そう言われるとその傾向は確かにあるんですけど、汚職とかでいわゆる入れ替えが大臣はすごく多いんですね。僕が今ぱっと思い浮かぶだけで要職にあった人は10人ぐらい入れ替わっています。逆に考えると、政権を動かしてきた人なんですよ、ゼレンスキー政権を。そんな人たちでも入れ替えてるので、逆に捉えると新陳代謝があるかなと」














