発がん性リスクを2段階引き上げも 評価では“証拠不十分・不明”

小川彩佳キャスター:
私たちの体の健康に直結する「水」の問題ですけれども、喜入さんは1年前も取材しているんですね。

喜入キャスター:
1年前も、藤木さんにお話を伺ったんですが、そのときも原因の究明を訴えていらっしゃったんですが、結局1年間大きな進展はなく、不安を抱えたままで置き去りにされているというのが現状です。

やはり健康への影響も心配されており、2023年にこういった発表がありました。

PFASの発がん性リスク
1 あり、「PFOA」(2段階引き上げ)
2 おそらくあり
3 ある可能性あり、「PFOS」(以前、「PFOA」が分類)
4 分類できない
※国際がん研究機関 2023年発表

WHO=世界保健機関の専門機関である「国際がん研究機関」が発表したものなんですが、「PFAS」の一種である「PFOA」について、発がん性リスクを2段階引き上げ。「PFOS」については新たに可能性がある、に追加しました。

日本でのPFASの健康への影響評価
●発がん性…証拠が限定的・不十分
●肝臓、免疫、脂質代謝…可能性否定できないが、証拠不十分
●神経、生殖・発生…知見不十分・不明
●甲状腺(機能・ホルモン)…影響があるとは言えない
●遺伝毒性…直接的な遺伝毒性なし
※内閣府・食品安全委 2024年1月発表

一方で、日本について、国の食品安全委員会が発表したものでは、評価した8つの項目の多くで、分からないといった内容となっています。

小川キャスター:
WHOは、(「PFAS」の一種の)発がん性リスクを引き上げました。ただ、国の評価としては証拠不十分、不明という項目が並びました。

薄井シンシアさん:
このようなニュースを聞いて、いつも難しいと思うのは、いわゆる国によって基準が違うんですよね。なので、やはり統一してほしいという希望もあります。

日本の場合は、ものによっては厳しかったり緩かったりして、(さきほどの評価でも)不十分と出てるのはなぜか、(それを)早急に調べて欲しい。