血液検査で半数以上がアメリカ基準の「健康リスクが高まる」量

「PFAS」をめぐっては、東京の横田基地周辺や沖縄や神奈川の在日米軍基地周辺などで高濃度の値が検出されています。
その横田基地から直線距離で約10キロ。東京都国分寺市で暮らす藤木千草さんも水道水の安全性に不安を抱えています。

藤木千草さん(67)
「これが安全じゃなかったというのも、すでに今は少ないらしいんですけど、そうじゃないものを断然飲み続けちゃっているので、ショック」
藤木さんが住む多摩地域でも、井戸水から国が定める指針値を超える「PFAS」が検出されました。
そこで東京の市民団体は2022年から、地域住民の血液検査を実施しました。

検査を行った650人のうち、藤木さんを含む半数以上がアメリカ科学・工学・医学アカデミーが定めた基準で「健康リスクが高まる」とされる量のPFASが検出されました。
喜入友浩キャスター
「健康面でどんな不安を感じていますか?」

藤木千草さん(67)
「発がん性があるとか、コレステロール値が高くなるとか色々ありますよね。若い世代の影響って何年か経ってから色々出るんだと思うので、その辺が心配です」
汚染源として疑われているのが横田基地です。

アメリカ軍は、2010年から2012年の間にPFASを含む泡消火剤の漏出が3件あったことを認めています。ただ、基地の外にPFASが漏出することはなかったとしているのです。
藤木千草さん(67)
「日本政府がもっときちんと強い態度で対応して調査してほしい。国民の健康に関することですから」
藤木さんは、横田基地への立ち入り調査を求めています。
ただそこには、「日米地位協定」という高い壁が立ちはだかります。

京都大学大学院 原田浩二 准教授
「直接、立ち入り調査権限がないというようなところですね。どれだけ使用したのか、どこで使用したのか分からなければ、因果関係が分からないままになってしまう」