化学物質「PFAS」。水や油をはじく特徴があり、フライパンのコーティングやレインコート、大きな火事に使う泡消火剤などに使われてきましたが、有害性が指摘されたPFASの一部の物質はすでに輸入や製造が禁止されています。ただ、この物質、各地の河川や井戸水、そして水道水から検出されています。広島県では国が定める指針値の300倍の濃度が検出され住民から不安の声があがっています。
「今まで知らないで飲んでいて、どれだけ体にたまっているか」

今まで自宅で飲んでいた水が飲めなくなる事態となっています。
住民
「大ショックよね。本当。びっくりですよ。本当びっくり」
住民
「使っていた水が全然、もう飲めなくなったのね」
発がん性が指摘される有機フッ素化合物の「PFAS」(ピーファス)。
広島県東広島市で、国が定める指針値を大きく超える「PFAS」の検出が相次いでいます。
東広島市 高垣広徳 市長(2月22日・会見)
「井戸から出たということは、地下水汚染が、わりに広い範囲なのではないかとも推測される」

市内を流れる瀬野川流域の河川や付近の地下水から2023年12月以降、検出されました。
国の定めている指針値は50ng/Lですが、先週は12地点で110~1万5000ng/Lと、▼指針値の300倍の濃度が検出され、市は対応に追われました。
この週末に行われた住民説明会では不安を訴える声が…

住民
「健康被害。今まで知らないで飲んでいて、どれだけ体にたまっているか、がんになるとか色々想像するから、一日も早く健康診断してほしい」

原因はまだわかっていませんが、市は、瀬野川の上流近くにある米軍川上弾薬庫に関する情報の公表などをアメリカ軍に求めるよう国に要求しました。
全国各地のPFASの調査に取り組んでいる専門家は…

京都大学大学院 原田浩二 准教授
「(米軍弾薬庫の)訓練等で使用されていれば、それによって放出されたPFASが周辺環境に影響を及ぼすことがあり得る」