ロシアのウクライナ侵攻から明日で2年。今週、ウクライナの政府関係者が東北の被災地を訪れました。戦地からはるばる日本に足を運んだ理由は、がれきのリサイクル方法にありました。

「大量の瓦礫をリサイクルし、再利用した点に注目」ウクライナから視察に

東日本大震災の被災地、宮城県・東松島市。戦争が続くウクライナから、政府の復興局長ら10人が今週、震災遺構の視察に訪れました。13年前の被害の爪痕を、真剣なまなざしで見つめる男性。ロシアの度重なる攻撃に晒されてきたウクライナ東部・ドニプロ市の副市長です。

ドニプロ市副市長・ヴォロディミル=ミッレールさん
「母国が今受けている被害は、震災当時の津波の被害にも通じるところがあります」

彼らがこの街を訪れたのには、理由がありました。

ドニプロ市副市長・ヴォロディミル=ミッレールさん
「大量の瓦礫をリサイクルし、そのほとんどを再利用した点に注目しています」

およそ2000万トンものがれきが発生した東日本大震災。実はその多くがリサイクルされ、建設資材などに活用されました。最大の特徴は、地元の被災者たち自身が参加し、手作業でがれきを分別しリサイクルしたことです。この処理方法を発案した地元の建設業協会の橋本さんが、当時、作業が行われていた場所に案内してくれました。

がれきの手選別を発案・橋本孝一さん
「これを見ると、思い出してしまうよね」

手作業を選んだ背景には、こんな想いが…

がれきの手選別を発案・橋本孝一さん
「(がれきは)昨日まで我々の財産だったわけですよね。それをいかに大事に1つずつやるかっていう。涙を流しながら手選別をやっている方もいっぱいいらっしゃいました」