能登半島地震の発生から1か月半。線路に土砂が流れ込むなどした「のと鉄道」が、きょう、一部区間で運転を再開しました。

再開待ちの区間には春の名所も…お花見に間に合う?

加藤シルビアキャスター:
のと鉄道は七尾駅と穴水駅を結ぶ線ですが、七尾駅から能登中島駅の間が15日、約1か月半ぶりに再開ということになりました。この先の区間については、4月上旬の再開を目指していくということです。

これに伴い、今まで七尾駅で止まっていた関西から直通のJRの特急列車が、本来の終着点である和倉温泉までつながったということです。

1か月半ぶりの再開となりましたが、ここまでの道のりは平坦なものではありませんでした。地震直後をみていくと、ホームには亀裂や隆起があります。レールが折れてしまっていますし、切符売り場も散乱してしまっています。

そして本社も立ち入りが禁止になっていたということで、約50人の社員の方は全員無事だったそうですが、再開に向けての会議は、比較的安全な電車の中でしていたということです。

そして、4月上旬の再開を目指すとしていた残りの区間が、能登中島駅から穴水駅の間になるわけですけれども、この沿線には実は、春の名所があるということです。それが能登鹿島駅で、通称「能登さくら駅」と呼ばれているそうです。

立派な桜並木があります。毎年春には約100本の桜が“桜のトンネル”を形作り、2023年は4月3日から6日まで満開だったということです。4月上旬の運転の再開が間に合うかどうかというところで、地元の方は、電車の中からお花見をしたいという声も聞かれるそうです。

ホラン千秋キャスター:
少しずつではありますけれども、いつもどおりの日常、景色が戻ってくるというところ、地元の皆さんは少しほっとしている部分もあるんでしょうね。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
過疎地ですから鉄道も削減をされているんだけど、やっぱり民間とか自治体の力だけでは無理ですから、こういうところを国が支援に乗り出すということが必要だと思います。

井上貴博キャスター:
東日本大震災を思い返しても、三陸鉄道が全面復旧できたのは丸3年かかっているんですよね。

今回、奥能登にある鉄道はもっとダメージを受けているなかで、星さんがおっしゃったように採算が取れない、民間としては経営が厳しい。でも、こういったものを復活させることが、何より地元の皆さんの心の支えになるという側面がある。やっぱりそこは、政府ということになるんでしょうね。