米Cboeグローバル・マーケッツは、Cboeボラティリティー指数(VIX)に連動する無期限先物の上場を検討している。暗号資産市場で主流となっている高レバレッジの金融商品を、新たな資産クラスにも広げようと米国の各取引所が競っている。

VIXは、S&P500種株価指数のオプション市場が予想する今後30日間のボラティリティーを示す指標。広く参照されている指標でありながら、これまではVIXそのものを直接取引する手段がなかったが、こうした状況が変わる可能性がある。

Cboeのグローバルデリバティブ責任者、ロブ・ホッキング氏は、米国で無期限先物を巡る規制がより明確になれば、VIX無期限先物の上場を検討すると述べた。

同氏はニューヨークで開かれたブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のデリバティブ市場構造会議で、無期限先物に関するパネル討論会に参加。「現在検討しているものの一つがVIXだ」と語った。

9月30日の同会議では「VIXの現物を取引する手段はない」と指摘。「VIXの現物を取引するにはどうすればいいのか、という問い合わせがこれまでも寄せられてきていた。現状では有効な手段がない」と述べた。

Cboeは既にVIX先物とオプションを上場している。VIXに連動する上場投資信託(ETF)もあるが、VIXのデリバティブ(金融派生商品)を保有する仕組みのため、同指数の動きを完全には反映せず、通常の市場環境では投資家のコストがかさむ場合がある。例えば、「プロシェアーズVIXショートターム・フューチャーズETF」の2026年の運用成績はマイナス34%だ。

ホッキング氏は「無期限先物は非常に有効な解決策になり得る」と述べた。

無期限先物には満期がなく、契約価格を現在のスポット価格に連動させるための資金調整の仕組みが組み込まれている。レバレッジを活用するため、利益と損失の双方が増幅される可能性がある。ロビンフッド・マーケッツは今週、米国の顧客に暗号資産(仮想通貨)のビットコインとイーサリアムの無期限先物で最大10倍、その他の暗号資産の無期限先物で最大3倍のレバレッジを提供すると発表した。

無期限先物は、バイナンスやOKX、ハイパーリキッドなどオフショアの暗号資産交換業者の主要な金融商品となっている。米国ではコインベース・グローバルとカルシが暗号資産の無期限先物を提供しており、カルシは金の無期限先物も扱っている。

一方、ゴールドマン・サックス・グループで株式ボラティリティーのトレーダーを務めたホッキング氏は、オプションには無期限先物に比べて大きな利点があると指摘した。

「オプションでも同程度のレバレッジを得られると思うが、違いは、線形商品にはない非対称な損益構造を持てる点だ」と説明。「オプションは損益が非対称で、相場が有利な方向に動けば、利益が加速度的に拡大する可能性がある」と述べた。

また、無期限先物と異なり、オプションの買い手の損失は支払ったプレミアムに限定される。

Cboeの主力商品であるS&P500種株価指数オプションの取引は、想定元本ベースで1日約4兆5000億ドル(約710兆円)に上る。短期オプションは、リスク選好の強い個人投資家の間で特に人気が高い。Cboeは今週、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスとの独占ライセンス契約を25年間延長することで合意し、これを受けて同社株は上昇した。

ホッキング氏は、無期限先物の監督を巡り、規制当局に一段と明確な指針を示すよう求めた。

「無期限先物を活用した商品開発には大きな可能性があるが、規制の明確化が必要だ」と発言。「取り組むには、まずルールが何なのかを把握する必要がある」と述べた。

原題:Cboe Eyes VIX Perpetuals as Exchanges Move Beyond Crypto (1)(抜粋)

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