ニデックは28日、役員変更や大規模な減損処理を検討をしていることを明らかにした。同社は上場維持に向けた手続きを控えており、新たな減損の計上が影響するかどうかが焦点となる。

ニデックは25日に開いた臨時取締役会で岸田光哉社長の解任を決議したとダイヤモンド・オンラインが28日朝に報道。不正会計を巡って1兆円規模の減損損失を2026年3月期に修正計上する方針で、29日にも社長交代を発表するとも報じていた。ニデックはこれらについて現時点で決定した事実はないとしている。

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

ニデック株は報道を受けて28日の東京株式市場で急落、一時前営業日比500円(18%)安の2340円と制限値幅いっぱいのストップ安となった。

不正会計を巡っては、これまで25年6月末時点の純資産が1607億円減少するほか、主に車載事業の約2500億円の資産を対象に追加減損が発生する可能性があると説明していた。1兆円規模の減損損失が事実であれば、大幅に膨らむことになり、市場に対して丁寧な説明が求められる。

ニデックは昨年、不正会計問題を受けて東京証券取引所から特別注意銘柄に指定された。上場廃止となる可能性も出ており、10月までに特別注意銘柄の指定解除に必要な内部管理体制確認書の提出を目指している。

この間に新たに品質不正問題も浮上したが、岸田氏は上場維持を目指す方針を示してきた。

ダイヤモンド・オンラインでは、不正会計の修正などに関連して3000億円規模の減損損失を計上するほか、今後改革する事業などでのれんなどの資産性を厳しく見積もったことで、家電事業などを中心に6000億円規模の減損損失を計上する見込みとしている。

岸田氏は京都大学教育学部卒。ソニー(現ソニーグループ)で常務まで務めた後、22年にニデックに入社後は車載事業本部長として不振の同事業の立て直しに当たり、24年4月に社長に昇格。不正会計問題の余波で創業者の永守重信氏のほか複数の経営幹部がニデックを去った後も経営トップとして経営再建にあたっていた。

日本取引所グループは、純資産の面での上場維持基準として債務超過ではないことを条件としている。ニデックの決算短信によれば、25年9月末時点での親会社の所有者に帰属する純資産は1兆7594億円で、1兆円の減損を計上したとしてもただちに債務超過になる水準にはない。

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