シンガポールの成功の陰には、喜ばしいとは言い難い要因があるのかもしれない。それは国民の不幸せだ。同国の元政治家がこう指摘した。

2011年に閣僚としてのキャリアを終えたヨー元外相は、「時として、不幸せは何かを成し遂げるための前提条件なのかもしれない」とブルームバーグとのインタビューで語った。シンガポールが世界有数の富裕国である一方、幸福度が低い国の一つでもあることについて問われ、こう答えた。

動画:ブルームバーグのミシャル・フセイン氏がヨー元外相に、なぜシンガポールは豊かであると同時に幸福度が低いのか尋ねた

シンガポールは1人当たり国内総生産(GDP)でアジア首位の富裕国だが、各種の幸福度調査ではしばしば振るわない。金融ハブとして華々しい成果を支えてきた猛烈な生活ペースや労働文化については、富裕層を含む住民から不満の声が上がることも多い。

SEEK職場幸福度指数によると、シンガポールの労働者の幸福度はアジア太平洋地域で下から2番目だった。29カ国を対象とした「イプソス幸福感調査2026」では73%と、世界平均の74%をわずかに下回った。一方、「世界幸福度報告」では約145カ国・地域中36位と比較的高かった。平均寿命と汚職に対する認識で最高水準の評価を得たことが順位を押し上げた半面、ポジティブな感情の評価は中位にとどまり、重しとなった。

「経済発展やインフラ、教育などは約束できる」とヨー氏は、シンガポール初代首相リー・クアンユー氏がスタッフに語った言葉を振り返った上で、「だが、幸福だけは決して約束してはならない」と述べた。

原題:Singapore’s Success May Be Tied to Unhappiness, Yeo Says (1)(抜粋)

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