(ブルームバーグ):AI開発会社の米アンソロピックは、コンピューティング能力の確保を巡り、米クラウドサービスプロバイダーのアカマイ・テクノロジーズと7年間、116億ドル(約1兆8400円)の契約を締結した。アンソロピックが相次いで結ぶデータセンター関連契約に、新たな案件が加わった形だ。
アカマイはアンソロピックに中央演算処理装置(CPU)へのアクセスを提供する。CPUは汎用(はんよう)型の半導体で、AIサービスを支えるデータセンターで需要が再び高まっている。アカマイはまた、アンソロピックに1株111.33ドルでシリーズB株を購入する権利を付与するワラントを発行した。同株は普通株770万株に転換される。
今回の契約は、両社が今年これまでに締結した18億ドル規模のコンピューティング契約を拡大するものだ。アンソロピックのAIモデル「Claude(クロード)」は過去数カ月、コーディングなどの作業を効率化するツールとして顧客の利用が広がり、需要が急増している。
アンソロピックは、拡大する需要に対応するために必要なコンピューティング能力の確保を加速しており、半導体へのアクセスを求めて、アルファベット傘下のグーグルやイーロン・マスク氏のスペースXなど幅広い企業と契約している。
アカマイは売上高の大半をコンテンツ配信とサイバーセキュリティーのサービスから得ている。ただ、さらなる成長機会を求め、コンピューティング分野への事業拡大を急速に進めている。アンソロピックとの契約は、アカマイにとって過去最大の案件となる。同社は、アンソロピックとの契約だけに関連する設備投資が約55億ドルに達すると推計。2025年通年の設備投資額の6倍超となる。
アカマイ株は24日の時間外取引で17%上昇し、ニューヨーク時間午後4時10分(日本時間25日午前5時10分)ごろには129.60ドルとなった。
アカマイのトム・レイトン最高経営責任者(CEO)はインタビューで、同社のクラウド事業は「明らかに極めて速いペースで成長している」と指摘。このペースが続けば、クラウド関連契約からの売上高が他の事業部門の売上高を「かなり近いうちに」上回る可能性があるとし、「そうなるまでに必ずしも長い時間がかかるとは考えていない」と語った。
アカマイの説明では、アンソロピックに発行したワラントの一部はアカマイの普通株式の約2%に相当し、来年下期に開始予定のコンピューティング契約に伴って権利が確定する。残りは7年間の契約期間を通じて順次権利が確定する予定だ。
ウォール街の一部投資家は、クラウド、ハードウエア、AI企業が互いの製品を購入する一方で、相互に直接出資するいわゆる「循環型」AI取引について懸念を表明。こうした契約によってAIの実需を把握することが難しくなると指摘している。
レイトン氏によると、アカマイが顧客とのクラウド契約の一環としてこうしたワラントに合意するのは今回が初めてだ。同氏は「大きな決断だが、今回はそうすることに合理性があったと思う」と述べ、「両社の関係強化につながる」との考えを示した。
アカマイは、アンソロピック関連事業からの売上高が来年、約1億5000万-3億ドルに達すると見込んでいる。レイトン氏は「2028年までには、年間売上高のランレートで約17億ドルになるだろう」と述べた。
レイトン氏によれば、アンソロピックとの契約を履行するためアカマイが計画している設備投資の大半はサーバーや半導体、ネットワーク機器などのハードウエアに充てられ、その多くは来年実施される。
レイトン氏は、同社にとって設備投資が「大幅に増える」ことを認めつつも、収益性は高いと説明。ハイパースケーラー(最大手データセンター事業者)や大企業を含む「主要各社全て」と、さらなる取引について協議していると明らかにした。
原題:Anthropic Strikes $12 Billion AI Computing Deal With Akamai (1)(抜粋)
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