極端な所得格差と家計債務の重圧
政治的混乱に加え、富の過度な集中も深刻な問題です。
タイでは上位10%の富裕層が国の富の約70%を握っており、この格差はインドネシアやマレーシア、ベトナムを大きく上回ります。
バンコクなどの経済回廊が発展する一方で、地方では生産性の低い農業が放置されてきました。
企業の主要資産は一部の億万長者一族が支配しており、政治的なつながりを利用して独占を守り、富の再分配や競争を促す改革に強く抵抗しています。
さらに、1997年の通貨危機以降、成長を促すために信用貸付に頼った結果、一般家庭には巨額の借金がのしかかっています。
賃金が伸びない中で消費拡大を迫られた家計は返済能力を超えた借金を抱え、現在の家計債務はGDPの約90%にまで達しました。
これは韓国や香港に次ぐアジア最高水準です。収入の大部分が利払いに消えるため、教育など将来への投資に資金を回すことができなくなっています。
