【要旨】
・かつて高成長を誇ったタイ経済が、GDP成長率約2%で低迷する現状
・度重なるクーデターや政権交代など、政治的混乱と既得権益層の対立
・深刻な所得格差、巨額の家計債務、人材不足、急速な高齢化という危機
タイ経済はなぜ停滞? 成長を阻む政治的混乱と格差、迫る高齢化の危機
「微笑みの国」タイといえば、美しいビーチや歴史ある寺院など、伝統と現代が共存する観光の楽園というイメージを持つ方が多いでしょう。
しかし、その輝かしい姿の裏側には、不安定さと不確実性、そして深刻な「経済の停滞」というもう一つの現実が隠されています。
周辺の東南アジア諸国が目覚ましい急成長を遂げているのに対し、タイのGDP成長率は長らく約2%にとどまっています。
この状況に外国人投資家もいち早く気づき、2023年以降は資金を引き揚げる動きが加速。2025年後半には資金流出額が過去最高に達しました。
世界銀行によれば、タイの所得格差はアジア太平洋地域で最大レベルに達しており、「繁栄」の恩恵を受けているのは一部の既得権益層のみです。
世界で最も成長が著しいアジア地域において、タイは完全に取り残される危機に直面しているのです。果たして、タイに何が起きているのでしょうか。
