【要旨】
・世界各地で猛威を振るう観測史上最大規模のエルニーニョ現象
・インドの洪水やアフリカの干ばつなど、気候変動が被害を拡大
・パナマ運河の制限や農業打撃により、数兆ドルの世界経済損失へ
観測史上最大級「エルニーニョ」がもたらす世界的脅威
ヨーロッパを焼き尽くす山火事により、フランスやスペインでは30万人以上が自宅からの避難を余儀なくされました。
さらに、インドやニューヨーク市を飲み込んだ壊滅的な洪水など、世界中で異常気象がより頻繁に、そして激しく発生するようになっています。
これらの災害の背景にあるのが、周期的に発生する気象現象「エルニーニョ」の再来です。科学者たちが今回のエルニーニョに対して強い懸念を抱いているのには、2つの大きな理由があります。
1つ目は、その「規模の大きさ」です。今回のエルニーニョは、観測史上最大級の威力を持つ可能性があります。
そして2つ目は「発生時期」です。
現在、人類が化石燃料を燃やして排出する温室効果ガスの影響により、地球全体の平均気温は産業革命前と比べてすでに1.4度上昇しています。
この人為的な気候変動によってベースラインの気温が底上げされた世界で、強大なエルニーニョが発生しているという事実が、事態をより深刻なものにしているのです。
