(ブルームバーグ):高市早苗首相は米東部時間22日、トランプ米大統領と約35分会談した。米中首脳会談を2日後に控えたタイミングで、日米が認識をすりあわせる機会となった。
冒頭、高市氏は安全保障環境が厳しい中、今日会談を行うことは「世界に向けて日米同盟の強さを示すことになる」と話した。日米間では人工知能(AI)や半導体、重要鉱物など経済安全保障の協力が進んでいるとも強調。トランプ氏は日中関係について「もちろん話し合う」と述べていた。
会談に同席した尾﨑正直官房副長官によると、両首脳は米中首脳会談を念頭に、経済安全保障を含む中国を巡る諸課題について議論。緊密に連携することで一致した。台湾について議論したかなど詳細についてはコメントを控えた。
安全保障環境が厳しさを増し、米中首脳会談を2日後に控える中、「最も良いタイミングで日米同盟の強固さを示すことができた」と尾﨑氏は強調。その点が今回の会談の「最も重要な意義」だと述べた。
両首脳の対面での会談は昨年10月のトランプ氏訪日、今年3月の高市氏訪米に続き3回目。6月にフランスで行われた主要7カ国(G7)首脳会議の際も短時間懇談した。今回は国連総会のため両首脳が滞在しているニューヨークで開催した。
トランプ氏は24日、ワシントンで中国の習近平国家主席を迎え首脳会談を行う。両国が新たな経済覇権争いの主戦場と位置付けるAI、関税などが議題になる見通しだ。
高市氏による昨年11月の台湾有事を巡る国会答弁以来、日中関係は冷え込んだままだが、米国は中国と関係安定に向けて協議を重ねている。過去2回の会談で日米首脳は、「台湾海峡の平和と安定の重要性」を確認している。
ICC
日本側にとっては国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長への米国による制裁問題も新たな懸案として浮上している。尾崎氏によると、高市氏は法の支配のためICCを支持する日本の立場を踏まえ「率直なやりとり」を行った。尾崎氏は、高市氏が制裁解除を求めたかなど詳細を明らかにすることは控えた。
年内に安全保障関連3文書改定を控える中、米側から防衛費の増額や数字への言及はなかったという。トランプ政権は日本を含む同盟国に対し、自国の防衛力を強化し米軍への依存を減らすよう求めている。前回3月の会談では、防衛費増額に向けた日本のコミットメントに歓迎の意を示していた。
両首脳は国際金融情勢についても議論した。前回3月の日米首脳会談以降、米国による日本の経済財政・金融政策への関与は強まっている。7月末には協調して円買い介入を実施。日本の政府高官が市場に影響を与えるとして発言を控える中、ベッセント財務長官は日銀の金融政策やドル・円相場について活発に発信している。
首脳会談に先立ち、ニューヨーク入りしている茂木敏充外相が21日、ルビオ米国務長官と会談した。外務省の発表によると、中国を巡る諸課題を含め、インド太平洋の地域情勢について意見交換を行い、さらなる同盟の強化へ緊密に連携することを確認。イラン情勢についても意見交換し、ICCについてもやり取りを行ったという。
首脳会談の他のポイント
- AI、半導体、重要鉱物分野の経済安全保障協力のさらなる強化で一致
- 約5500億ドル(約87兆円)の対米投融資を含む関税合意の着実な実施の重要性を確認
- 日米同盟の抑止力、対処力の強化に向けた取り組み推進を確認
- 北朝鮮の完全な非核化に向けたコミットメントを確認、拉致問題解決に向けてトランプ氏から全面的な支持
(第1段落目から詳細を加えて全体を更新します)
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