世界のタンカー運賃が過去最高水準に急騰し、当面は沈静化の兆しがほぼ見えない。ペルシャ湾での紛争が長期化し、トレーダーや船主、生産者、買い手が複雑な代替輸送を迫られる中、石油市場への圧力が強まっている。

中東と中国を結ぶ主要航路では、大型タンカーの1日当たりの収益が80万ドル(約1億2300万円)近くと過去最高を記録。米メキシコ湾岸からアジアへの航路でも、一括運賃は過去最高の2950万ドルに達している。

運賃上昇の勢いが収まる兆しは乏しい。データ分析会社クプラーによると、超大型石油タンカー(VLCC)の1日当たりの収益は来年に入っても10万ドルを上回る見通しで、4万5000ドルをめったに上回ることがなかった過去の水準の2倍以上となる。モルガン・スタンレーは、VLCCの2年間のリース料が20%から30%上昇する可能性があるとみている。

ホルムズ海峡で攻撃が再開されたことを受け、原油相場は今週急騰している。米国がイランのタンカーを攻撃する一方、イランは空軍基地や海軍艦艇、商船を攻撃。北海ブレント原油は7月以来初めて1バレル=100ドルを突破した。原油価格は戦争開始以降、40%余り上昇している。

戦争開始以降、世界有数の石油・ガス生産国と世界市場を結ぶホルムズ海峡を通過する船舶は激減した。一部ではオマーン湾で待機する船舶を使ったシャトル輸送で供給を維持しているが、利用できる船舶は限られ、運賃を押し上げている。

アジアで米国産原油への需要が高まっていることも、輸送距離とコストを押し上げる要因だ。商船三井の橋本剛会長は、中東に代わるルートが数多く必要になるため、比較的高い物流コストを受け入れざるを得ないと述べた。

原題:Surging Tanker Rates Signal a Deepening Global Energy Crisis (1)

(抜粋)

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