(ブルームバーグ):英国の超富裕層が税負担の軽い移住先を探す際、選択肢はますます増えている。同国は最近の制度変更で世界的な富裕層拠点としての地位が揺らぎ、高級不動産や税収に影響が及んでいる。
その一方で、英国から飛行機で数時間圏内にあり、気候や生活環境に恵まれていることも多い競合都市が増え、英国に不満を抱く高所得者への誘致を強化している。
これまでロンドンの競合として注目されてきたのは、ジュネーブやモナコ、ミラノなどだった。今では、これまでやや周辺的とみられていた地域にも資金が流れ込んでいる。
今週には、ヘッジファンドトレーダーのクリス・ロコス氏が英国を離れ、ギリシャに移住する見通しであることが明らかになった。ギリシャではかつて、自国の富裕層が相次いでロンドンに移っていた。
ギリシャの制度では、イタリアと同様、海外所得が15年間、国内課税の対象外となる。トルコも最近、海外所得への優遇措置を20年間適用し、相続税も低く抑える制度を導入した。英国では比較的低い水準から40%の相続税率が適用されるため、富裕層にとって特に不満の種となっている。
チャールズ・ラッセル・スピーチリーズのパートナー、ドミニク・ローレンス氏は「移住先として、税制面で非常に有利で、税負担が極めて軽い、あるいは実質ゼロの国はかなりの数ある」と述べ、「生活を大きく変えることになる以上、相続法や学校、ナイトライフ、文化活動など、税以外の要素も考える必要がある。移住先を決める際には、そうした全ての要素を考慮すべきだ」と指摘した。
ミラノには近年、ゴールドマン・サックス・グループのリチャード・ノッド氏ら富裕層が移り、金融センターとしての存在感を高めている。
一方、英国も海外所得を対象とする税制優遇制度を導入しているが、適用期間は4年間。ローレンス氏は海外の競合制度と比べて短すぎると指摘する。
原題:UK Super Rich Being Lured Away by Europe’s New Wealth Hubs (1)
(抜粋)
--取材協力:Tom Hall.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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