(ブルームバーグ):今年のBRICS議長国インドは、ドルへの対抗策と受け取られかねない統一決済ネットワークへの支持は見送る一方、国境を越えた決済で中央銀行が発行するデジタル通貨の利用を拡大するようBRICS加盟国に働きかける方針だ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
インドのモディ首相は加盟国同士の2国間貿易決済に中銀デジタル通貨(CBDC)を利用することを支持している。だが、今週末にニューデリーで開かれる首脳会議で、BRICS全体を対象とする単一の決済システムについて合意する可能性は低い。非公開協議であることを理由に関係者が匿名を条件に語った。
中国やロシア、インド、南アフリカなどで構成するBRICSは、西側が主導する国際銀行間通信協会(SWIFT)への依存を減らせるよう、加盟国の決済システムを接続する取り組みを進めている。この構想は、ロシアが2022年に始めたウクライナ侵攻を受け、ロシアの銀行数行がSWIFTから排除された後に注目を集めた。
ただ、インド政府はSWIFTの対抗軸と見なされかねないBRICS統一の決済システムには引き続き慎重だ。事情に詳しい関係者によると、そうした動きはBRICSを明確な反ドル、あるいは反西側の枠組みと位置付けることになりかねない。
インドは代わりに、国境を越えた取引のためにBRICS各国のCBDCを接続し、銀行への依存とコストを減らすことを提案している。また、ドルのような第三国通貨を介さず、自国通貨を使って貿易を決済することも支持している。
インド準備銀行(中銀)はコメント要請に応じなかった。インド外務省のジャイスワル報道官は、9日に始まったBRICS財務相・中央銀行総裁会議で何が協議されているかについて言及するのは時期尚早だと述べ、共同声明を待つよう記者団に求めた。
同報道官はさらに、金融分野を含むBRICSの協力に対するインドの姿勢について、貿易や経済関係を支える施策を重視するという意味で「開発が焦点」だと説明した。
原題:India Favors Central Bank Digital Currencies for BRICS Payments(抜粋)
--取材協力:Ruchi Bhatia、Yasufumi Saito.
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