(ブルームバーグ):米モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏は、金利と原油価格の上昇を懸念する投資家は、より質の高い米国株を選好し、エネルギー株をポートフォリオのヘッジとして活用する一方、米30年国債は避けるべきだとの見方を示した。
ウィルソン氏は9日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「勘違いしてはいけない。S&P500種株価指数は依然として世界で最も質の高い株式市場だ。だから、心配性の投資家ならS&P500種を保有すればいい」と述べた。さらに「長期債は保有すべきではない。長期債は5年間ずっと惨状だった」と語った。

ウィルソン氏のエネルギー株推奨は、同業界が持つ二面性を浮き彫りにする。原油価格の反発はインフレ懸念を強め、米国債の重しとなる一方、石油会社の株価は6月以降、大きく上昇している。S&P500エネルギー株指数は6月1日から9月8日までに13%上昇し、S&P500種全体の1%高を大幅に上回った。
米国株チーフストラテジスト兼最高投資責任者(CIO)を務めるウィルソン氏は、米国内でのエネルギー生産によって、欧州や日本を直撃する供給ショックから米国が守られているとも指摘した。
米30年国債に対する同氏の警戒は、過去の動きからも裏付けられている。30年債は6年連続の年間下落に向かっており、利回りは8月、19年ぶりの高水準を付けた。ウィルソン氏とチームは5月、2026年のS&P500種の目標を8000に引き上げた。今月8日の終値から4.2%超の上昇余地を見込む水準だ。
ウィルソン氏によると、株式相場の上昇をけん引しているのはバリュエーション(株価評価)の拡大ではなく、企業利益の伸びだ。同氏は現在の環境について、約1年前に終了したリセッション(景気後退)を経て、景気サイクルの中盤へ移行する局面にあるとの見方を示した。
同氏は、S&P500種は「株価収益率(PER)の面で調整しており、企業利益が伸びることで指数全体が上昇している」と指摘。「私にとって、それこそが本質だ」と述べた。
ウィルソン氏は、相場上昇の強さを支えているのは、売上高の伸びが、いわゆるAIを支える企業以外にも広がっていることだと指摘した。ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)や半導体企業から、消費、ヘルスケア、金融の各分野でAI技術を実際に活用している「アダプター」と同氏が呼ぶ企業への広がりを挙げた。
同氏は「AI競争には勝者も敗者もいる。より多くの勝者が現れ始めている」と述べた。この動きは、AIをテーマとする46銘柄で構成するバスケットが4-6月(第2四半期)のS&P500種の増益分の53.4%を占めたとするブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のデータとも整合する。
マクロ経済のリスクについては、原油そのものより、ガソリンやディーゼルなど石油製品価格の上昇の方が差し迫った懸念だとした。市場が石油ショックを乗り切り、状況が正常化するまでにはおよそ30日を要するとの見方を示した。
米連邦準備制度理事会(FRB)によるバランスシート縮小については、差し迫った脅威ではなく、2027年に問題となる可能性があるとして重要視しなかった。
原題:Mike Wilson Sees Energy as Hedge, Shuns ‘Train Wreck’ Long Bonds(抜粋)
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