(ブルームバーグ):物価への上昇圧力を踏まえると、投資家はインフレ抑制に必要な利上げ幅を過小評価している。ドイツ銀行のストラテジスト、ヘンリー・アレン氏はこのような見方を示した。
アレン氏は7日公表のリポートで、米連邦準備制度と欧州中央銀行(ECB)の利上げが限定的にとどまるとの見通しと、インフレ圧力増大との間にある「根本的なずれ」は持続不可能と見受けられると指摘した。
米供給管理協会(ISM)が発表した8月の非製造業総合景況指数は、原材料などの投入価格が、新型コロナウイルス禍の後に米消費者物価指数(CPI)の上昇率が5%に達していた時期以来のペースで上昇していることを示唆している。
アレン氏は「インフレ率が鈍化する必要があるか、さもなければ金利への上昇圧力が続くことになる」とコメントした。
中東での紛争長期化を背景に、原油と天然ガスの価格は上昇。供給ルートの混乱が続き、農家が異常気象への対応を迫られる中、食料品や金属の価格も大幅上昇している。スワップ市場が織り込む2027年7月末までの米利上げは2回だけだが、ウォーシュ連邦準備制度理事会(FRB)議長は先月、インフレに有意な鈍化が見られないと指摘した。

アレン氏は「市場は引き続き、過去の利上げ局面での動きとは整合しない緩やかな米利上げサイクルを織り込んでいる」とした上で、投資家は過去5年間のうち4年で、金融当局がどれほど積極的に対応するかを過小評価してきたとも論じた。
ECBについては、欧州の天然ガス価格が3年ぶりの高値に急騰し、ユーロ圏の4-6月(第2四半期)の成長率が上方修正された後も、トレーダーは追加の引き締めを見込む動きに慎重だ。スワップ市場は来年7月までに0.25ポイントの利上げを約3回織り込んでおり、今夏の織り込みとほぼ同程度となっている。
インフレ高止まりと債券売りの動きにもかかわらず、クレジット市場と株式市場は底堅さを保っている。こうした状況を総合すると、市場の少なくとも一部では調整が避けられないことを示唆していると、アレン氏は警告した。
「金利への上昇圧力が続けば、リスク資産も調整を迫られる」とし、「現状のままでは済まず、幾つかの資産クラスが一段と積極的な金融引き締めサイクルの影響を受ける恐れがある」との分析を示した。
原題:Deutsche Bank’s Allen Says Traders Are Wrong on Rates or Prices(抜粋)
(-ドイツ銀指摘)
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