(ブルームバーグ):米国はイランを国連安全保障理事会に付託することを国際原子力機関(IAEA)に提案し、同国への外交圧力を強めている。イランは核査察を妨げており、査察官はイランが保有する兵器級に近い濃縮度のウランの所在を確認できていない。
この動きは、7日にウィーンで始まるIAEA理事会で具体化する見通し。イランは2025年6月にイスラエルによる空爆が始まって以降、15カ月にわたり、IAEAによるウラン保有量の確認を阻んでいる。
ブルームバーグ・ニュースが確認した2ページの決議案によると、米国はイランに対し、「違反状態を速やかに是正」し、「核物質が転用されていないこと」を確認するための査察を認めるよう求めている。
IAEAはイランが査察官の活動を妨げていることにいら立ちを募らせている。
IAEAのグロッシ事務局長は7日の記者会見で、「対話はなく、情報提供もない。より広範な政治交渉で何らかの合意が成立するまで協力しないと伝えられている」と述べた。
米国が前回、イランの核問題を国連に付託した際には、イスラエルが24時間以内に同国の核施設への攻撃を開始し、12日間の戦争に発展した。現在の紛争は、爆撃を受けた施設付近での活動再開を確認したとIAEAが報告した翌日の2月28日に始まった。
トランプ米大統領は、現在の軍事作戦はイランによる核兵器開発を阻止することが目的だと繰り返し述べている。紛争は膠着(こうちゃく)状態に陥っており、イランの核能力について分かっていることは2025年半ばの攻撃前よりも少なくなっている。
トランプ氏は4日、記者団に対し「ピックアックスを近く攻撃する可能性がある」と述べ、地下深くにある核施設への新たな攻撃を検討していることを明らかにした。ピックアックスはイランの主要なウラン濃縮施設があるナタンズのすぐ南に位置する山中の厳重に防護された施設を指す。
トランプ氏は「ピックアックスで動いている人間は全員把握している」とし、「何か問題が起きれば、攻撃する」と語った。
イランは、軍事攻撃が続く中、現地の状況は依然として危険過ぎるとして、査察再開を求める声は「無意味だ」と主張した。
イラン国連代表部はXへの投稿で、IAEAは「まず侵略者である米国とイスラエル政権に対し、保障措置下にある平和的な核施設への攻撃や攻撃の威嚇をやめるよう求めなければならない」と主張。「イランには自国の国益を守るあらゆる権利がある」と述べた。
テヘランから南に220キロメートル離れたザグロス山脈にある同施設で、IAEAはイランの活動を検証できていない。査察官はフォルドゥ、イスファハン、ナタンズの損傷した施設への立ち入りも阻まれている。これらの施設では、兵器級に近い濃縮度のウラン440.9キログラムと、濃縮度がより低い核物質8599.6キログラムが最後に確認されていた。
安保理への付託は経済制裁や武力行使の承認につながる可能性があるが、中国とロシアがイランに対する新たな措置を支持する可能性は低い。両国は米国の軍事作戦を繰り返し批判し、昨年イランに対して復活した国連制裁の合法性にも異議を唱えている。
原題:US Turns Diplomatic Screws on Iran for Atomic Non-Compliance (2)(抜粋)
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