(ブルームバーグ):2027年度の一般会計当初予算に向けた各省からの概算要求が過去最大の総額143兆656億円になった。財務省が4日、発表した。要求額を明示しない「事項要求」もあり、最終的な予算規模がどの程度となるかは不透明だ。
高市早苗首相が掲げる予算編成改革でこれまで補正予算に計上していた支出を組み込んだことや、要求上限を設けない「強く豊かな日本投資枠」の創設が大きな要因となった。金利の上昇に伴い、国債の元利払いに充てる国債費が過去最高の36兆6386億円となったことも、歳出の規模を押し上げた。
26年度当初予算は約122.3兆円で、25年度補正予算の約18.3兆円を合わせた規模は約140.6兆円だった。片山さつき財務相は4日の閣議後会見で、25年度補正と26年度当初を合算した金額と比べると「大幅な増加との指摘は当たらない」と述べた。
高市政権が初めて概算要求段階から取り組む27年度予算は、首相の経済財政運営を判断する試金石となる。官民合わせた370兆円規模の成長戦略や飲食料品にかかる消費税率の時限的な引き下げなど多額の費用を伴う施策を打ち出しているが、財源確保の検討はこれからだ。
市場は日本の財政状況に一段と敏感になっている。指標となる10年国債利回りは今週、約30年ぶりに3%に達した。長期金利の上昇で概算要求で財務省は、利払い費の積算根拠となる積算金利は3.8%と1998年度以来29年ぶりの高い水準に設定した。国債費のうち利払い費は16兆5888億円、債務償還費は20兆25億円。
高市首相は先週、読売新聞のインタビューで、新規国債発行額を40兆円程度に抑える考えを示した。支出の増加が借り入れの無制限な拡大につながらないよう取り組む姿勢を市場に示した形だ。
1日夕には「恒常的な施策については大型の補正予算に頼るのではなく、これまでの方法とは違って、当初予算でしっかりと措置をするという予算編成改革を、高市内閣で大胆に進める」と強調した。
片山財務相は4日の会見で、新規国債発行の目安を40兆円程度と想定しているかどうかについては明言を避けた。その上で、市場の信認を得られるよう「通年の国債発行額を適切にコントロールする」と述べた。
安保3文書改定
概算要求で金額を明示していない「事項要求」のうち、潜水艦建造や戦闘機の取得などを含む防衛費は追加支出につながる可能性が最も大きい項目の一つだ。
政府は5年間の所要経費などを明示した防衛力整備計画を含む安全保障関連3文書を年末までに改定する方針だ。現行の枠組みでは、海上保安庁予算なども含めた防衛関連支出を2022年の国内総生産(GDP)の約2%とする目標を掲げている。
改定作業では、より規模の大きい直近のGDPを算定基準に用いる案や、最終的に目標をGDP比3.5%程度まで引き上げる案が議論される可能性がある。米国は同盟諸国に対し、防衛費の増額を求めている。
(片山財務相の発言を加えて更新します)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.