外国為替市場で円安が続く極端なシナリオでは、日本銀行が12月まで3会合連続で利上げする可能性もあり得ると野村証券は予想している。

後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは4日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、9月の金融政策決定会合で政策金利を0.25ポイント引き上げることは「妥当とみられる」と指摘。対ドルで円安の勢いが再び160円に向かうようなら、「10月と12月に連続して利上げする可能性もある」と述べた。

後藤氏の発言は、最近まで慎重なペースで金融政策の正常化を進めてきた日銀に対する市場の見方が大きく変化したことを示すものだ。円相場は今週、対ドルで2%余り上昇し156円前後で推移。日銀が利上げペースを加速するとの観測に加え、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産配分が変更される可能性を巡る思惑などが円を押し上げている。

後藤氏によると、円安修正につながる政策発動を再三求めるベッセント財務長官ら米国からの圧力が日銀の判断に影響を及ぼす可能性があるという。市場の政策金利見通しを反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では、日銀が9月に0.25ポイントの利上げを行う可能性を完全に織り込み、1月までではさらに1回の利上げを見込んでいる。

日銀の植田和男総裁は1日、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の会見で、利上げについて今月を含めた毎回の会合で議論すると表明し、9月の利上げ観測を打ち消そうとしなかった。利上げに前向きなタカ派として知られる高田創審議委員も大幅な利上げや連続利上げの可能性を排除していない。

もっとも、3会合連続の利上げシナリオは過去30年余りをデフレとの闘いに費やし、超低金利政策を続けてきた日銀にとっては異例の金融引き締めペースとなり、後藤氏の中でもあくまで極端なケースとの位置づけだ。基本的には少なくとも四半期に1度の利上げが妥当あるいは必要だとし、当面の円の対ドル相場の目標水準を154円としている。

後藤氏は、足元で進む円高が持続するかどうかの重要な鍵を握るのは日本政府の金融政策に対する姿勢だと言う。高市早苗首相はこれまで利上げには慎重な姿勢を示してきただけに、市場では日銀の追加利上げを支持するかどうか発言の有無が注目されている。

「高市首相が依然として日銀の利上げに否定的な姿勢を示せば、市場は失望し、再び円売りが進む可能性がある」と後藤氏は警戒する半面、金融政策への言及を控えるか日銀の独立性を強調した場合、円は150円を超えて上昇する余地があるとの見方を示す。

米連邦準備制度理事会(FRB)の政策判断も円相場を動かす材料になりそうだ。FRB当局者の最近の発言からは9月の利上げを急いでいない可能性が示唆されている。9月中旬に迫る日米の政策決定会合で、FRBが金利を据え置く半面、日銀がタカ派的なメッセージを出せば、ドル安が再び勢いを増し、市場予想よりも早く155円を抜けていく可能性があると後藤氏は述べた。

Nomura’s Yujiro Goto sees a 25-basis-point BOJ hike in September as reasonable, potentially followed by additional tightening. He adds that external pressure from the US could further influence decision makers.

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