(ブルームバーグ):キオクシアホールディングスは3日、AIやデータセンター向けに開発した最新の記憶装置(SSD)などに関する製品説明会を開いた。AIの普及による推論需要の拡大やデータ量の増加で同社が得意とするNAND型フラッシュメモリーの需要は高まっており、同社としては継続的に商品力を向上させ大手テクノロジー企業からの受注を確保する考えだ。
キオクシアHDのSSD事業部技術統括部の浜田誠部長は都内の本社での説明会で、AIに使用される画像処理装置(GPU)向けのSSD「GPシリーズ」について、2026年の早い段階で限定顧客にサンプル出荷を予定し、27年中の量産を目指すと述べた。
GPシリーズは記憶装置の性能向上に向けて米エヌビディアが提唱する標準化への取り組み「ストレージ・ネクスト」構想に対応したもので、両社が共同で取り組んでいる製品。GPUからフラッシュメモリーに直接アクセスできるようにし、データのやりとりにかかる速度などの改善を図る。
メモリ事業部技術統括部長の松寺克樹氏は、AIがAIを使う「エージェンティックAI」の時代に入り、AI間の高速なやり取りによってデータ量が爆発的に増えていると指摘。NAND型フラッシュメモリーとDRAMの市場は30年に26年比で倍以上に拡大すると見込む。
また、AIサーバーの高性能化に伴い発熱量が増える中、冷却液を使って熱を逃がす「液冷」に対応した製品も開発。近くサンプル出荷を開始し、早い時期での量産を目指す。
岩井コスモ証券の斎藤和嘉シニアアナリストによると、GPシリーズは、キオクシアHDが生成AI推論向けのNANDで大きく競合を上回る伸びをするための「キラー製品」になり得るとみている。
DRAMは読み書きが高速な一方、電源を切るとデータが消え、消費電力も大きい。一方、NANDは大容量で電源を切ってもデータを保持できるものの、DRAMに比べて特に書き込み速度が遅い。斎藤氏はGPシリーズはDRAMとの差を埋める領域を狙った製品だと話す。
キオクシアHDは、8月下旬に協業する米サンディスクとともに岩手県と三重県の半導体工場や技術開発に6年で5兆円規模を投じると明らかにした。AIの推論分野などで生まれている強い需要に対応していく方針だ。
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