日本銀行が3日公表した「当座預金増減要因」からは、円相場が対ドルで急伸した2日の外国為替市場で、日本の通貨当局が介入を実施した明確な形跡は見られなかった。

円買い介入の規模を推定する日銀の当座預金増減要因は、短資会社の予想平均に対して約2900億円上振れした。円相場の動きから小規模な介入があった可能性は残るが、決定づけるものはない。

介入に伴う資金決済は取引の2営業日後となるため、2日分は4日の日銀当座預金残高予想に表れる。介入を反映する財政等要因はマイナス4100億円。一方、介入を織り込まない短資会社3社の予想平均はマイナス7000億円だった。

ニューヨーク時間2日午前、円は159円台後半から一時158円20銭台まで急伸する場面があった。市場では、通貨当局による円買い介入を示す手掛かりを探る動きが広がり、警戒感が強まった。

東短リサーチの高井雄一郎研究員は、財政等要因の金額が予想より上振れしており、「円買い介入はなかったとみるのが妥当だろう」との見方を示した。

政府・日銀は7月30日に円買い介入を実施。翌31日には日米による協調介入を行っている。財務省が先月発表した7月30日-8月26日の介入総額は15兆3993億円と、月次ベースで過去最大を更新した。

異例の協調介入について片山さつき財務相は、2025年9月の日米財務相共同声明に基づき実施されたとし、「最近見られた円の過度な変動や無秩序な動きに対処したものだ」と説明した。ベッセント米財務相とともに、必要であればさらなる協調介入も辞さない構えを示し、市場をけん制した。

7月下旬に1ドル=164円に迫った円相場は、一連の介入を受けて一時155円台前半まで上昇した。ただ、日本の積極財政を巡る懸念や米国での利上げ観測などから円売り圧力は根強く、1カ月程度で160円台まで押し戻されていた。

財務省は月次ベースの介入総額を月末に公表している。8月27日-9月28日分は今月30日午後7時に公表する予定。日次ベースの介入額は7-9月分が公表される11月上旬にも判明する。

(市場関係者のコメントを追加して更新しました)

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