キャリートレードの資金調達通貨として中国人民元の魅力が高まる可能性がある。日本銀行が広く予想されている通り追加利上げに踏み切れば、円に代わる選択肢になり得ると、スペインの銀行BBVAはみている。

同行でアジアのクロスアセット戦略責任者を務めるダリウシュ・コワルチク氏は、「キャリートレードにおけるアジアの主要な調達通貨として、オフショア人民元が円に取って代わるリスクは注視に値すると思う」と述べた。

コワルチク氏によると、日銀による追加利上げの公算が大きいことを踏まえると、10-12月には人民元の借り入れコストが円を下回る可能性があり、世界各地のキャリートレーダーを呼び込むことも考えられる。日銀の高田創審議委員は2日、利上げのペースと幅について、従来の半年に1回や0.25ポイントではなく、機動的な対応が必要との考えを示した。

日本では数十年にわたってマイナス金利や超低金利が続いたため、円はキャリートレードの調達通貨として選好されてきた。キャリートレードとは、相対的に金利の低い通貨で資金を借り入れ、その資金をより高いリターンが得られる別の資産に投資する戦略だ。

日銀は2025年初め以降、3回の利上げを実施。一方、中国人民銀行(中央銀行)は景気を支えるため金利を低く維持している。

コワルチク氏によれば、オフショア人民元市場の取引高は円市場を下回るものの、キャリートレードの需要を満たすには十分な厚みがある。ただ、より大きな問題は、元安につながり、為替相場に対する厳格な管理を損ないかねないこうした取引を人民銀が容認するかどうかだという。

人民元は輸出企業によるドル売りに支えられているものの、キャリートレードの資金調達を目的としたオフショア人民元の需要が急増すれば、元相場に大きな影響を及ぼすと同氏は指摘。中長期的には人民元の上昇ペースを鈍らせる一因になり得ると付け加えた。

原題:Carry Trade Funding May Shift to Yuan From Yen, BBVA Says(抜粋)

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