年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が資産構成を見直す検討を始めたのではないか。市場関係者の間で、こうした観測が強まっている。

きっかけとなったのは、8月としては異例の経営委員会の開催だ。GPIFは8月31日、同委員会を21日に開催したことを公表した。議事次第によると、5つの報告事項の最初に「基本ポートフォリオ検証等PTにおける議論について」が取り上げられた。

元GPIF職員で大和総研の塩村賢史フェローによると、夏季休暇シーズンの8月は経営委員会を開催しないのが通例で、8月に開かれたのは5年に1度の基本ポートフォリオ見直しが議論された2019年以来、7年ぶり。

同氏はリポートで、3月の経営委員会では基本ポートフォリオの見直しの検討は必要ないと報告されていただけに、その5カ月後に再び議論が行われたとすれば「極めて異例」と指摘した。足元の金利上昇を踏まえれば、ポートフォリオの見直しに向けて、実際に一歩踏み出した可能性も否定できないとの見方を示した。

JPモルガン・チェースの斎藤郁恵ストラテジストも、金利の大幅な上昇を受け、GPIFが基本ポートフォリオの前提となる数値を改めて検証する必要があると判断した可能性があるとの見方を投資家向けメモで示した。

GPIFが現在25%としている国内債券の配分比率をめぐっては、引き上げを議論する余地があるとの見方が市場関係者の間ですでに出ていた。

国内長期金利の指標となる新発10年国債利回りは、日本銀行の利上げペースの加速観測や高市早苗政権による積極財政への懸念から、今月2日には3%の大台に乗せ、1996年以来の高水準に達した。GPIFが現在の基本ポートフォリオを決定した2025年3月当時から金利水準は大きく変化している。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成社長は「金利の上昇は急ピッチで運用環境自体が変わった。当然、ポートフォリオの見直しの検討はあるだろう」と指摘した。現在の金利水準は魅力的であり、運用の担当者であればリスクの低い国内債の積み増しを「議論すべきだ」と述べた。

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