(ブルームバーグ):ネパールと中国の国境付近で発生した壊滅的な洪水による死者は1000人を超えた。救助活動は9月1日で7日目に入った。
引き金となったのは先週発生した氷河の崩壊。氷や泥、岩石、大量の水がネパールの渓谷を高速で流れ下り、谷沿いの集落を丸ごとのみ込んだ。映像には、水と土砂の壁が建物をのみ込み、橋や送電線を破壊し、樹木や巨石、車両を押し流す中、住民が逃げようとする様子が映っていた。
1日夕までにネパールの死者は1050人に達し、約4000人がなお行方不明となっている。このうち約600人は39カ国の外国人だ。中国当局は8月30日、チベット自治区ギロン県で16人が死亡し、546人が行方不明になっていると発表したが、被害が特に深刻な一部地域への救助隊の到達が難航する中、その後は情報を更新していない。
ネパールではこれまでに少なくとも1万1993人が救助された。洪水や地滑りで道路や橋が破壊され孤立した地域に向かうため、救助隊はヘリコプターなどの航空機に頼っている。
中国国営中央テレビ(CCTV)は8月31日、ギロン国境検問所の中心部では丘の斜面にある給水塔だけが残っていると報じた。建物などのインフラや車両は泥や巨石に埋まり、救助活動は極めて困難になっているという。当局は、最初に崩壊した地点の周辺で氷河がさらに崩れるリスクもあると警戒している。
ネパールのカナル外相は、1日付のカトマンズ・ポストに掲載されたインタビューで、「通常の洪水ではなかった」と述べた。「竜巻のような速さで襲った災害で、多くの人が『ヒマラヤの津波』と呼んでいるが、まさにその通りだ。ネパールでは誰も経験したことのない規模の災害だ」と語った。
大規模な復興を迫られているネパールは、アジアで最も貧しい国の一つ。イラン戦争による燃料価格上昇に加え、観光業の低迷や成長鈍化にも見舞われているさなかだ。今年に入り、「Z世代」の不満の高まりを追い風にシャハ首相(36)が政権を握った。今回の災害で、一段と深刻な課題に直面している。
重要インフラにも被害が出た。ネパール独立発電事業者協会によると、ヌワコット、ラスワ両郡では少なくとも12の水力発電プロジェクトが被害を受けた。
原題:Nepal-China Flood Death Toll Tops 1,000 as Rescuers Press On (2)(抜粋)
--取材協力:Jing Li、Azman Usmani、Emma Haidar.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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