(ブルームバーグ):ネパールは主要河川の水位が上昇したことを受け、新たに警戒を呼びかけた。中国との国境沿いで壊滅的な洪水が発生し、数百人が死亡、数千人が行方不明となる中、救助活動に支障が出る恐れがある。
国家災害リスク削減管理庁はX(旧ツイッター)への投稿で、ボテコシ川流域周辺で救助や支援活動に当たる要員に「最大限の警戒」を呼びかけた。
ネパールと中国が公表した数字によると、少なくとも690人の死亡が確認され、3000人余りが依然として行方不明となっている。救助隊が遺体の収容作業を急ぐ中、死者数はさらに増える可能性が高い。
今回の大惨事は26日、氷河の崩壊によって引き起こされた。氷や泥、岩石、激流がネパールの谷を一気に流れ下り、進路上にあった集落を丸ごとのみ込んだ。
映像には、水とがれきの壁が建物をのみ込み、橋や送電線を破壊し、樹木や巨岩、車両を押し流す中、人々が逃げようとする様子が映っていた。
国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)ネパール代表団のデービッド・フィッシャー代表は、「歩いて見て回るだけでも恐ろしかった。泥でできた爆弾が爆発したようで、何も残っていない。人々は全てを失った」とブルームバーグに語った。
フィッシャー氏は29日、被災地のヌワコット地区を訪れた。同地区には現在も道路で一部アクセスできる。避難を余儀なくされた数千人が、礼拝施設や病院、政府庁舎など、高台に残ったあらゆる建物に身を寄せているという。
ネパールは軍と警察の1万8500人余りを動員し、困難な救助活動を進めている。泥が深く堆積した集落のほか、水力発電所では作業員がトンネル内に閉じ込められている。インドと中国のトンネル専門家も救助活動に加わった。

ネパール首相府は、ラスワにあるトリシュリ3「A」水力発電所で、トンネルの入り口を開通させる作業が29日早朝から強化されているとXで明らかにした。
中国は水力発電所での救助活動を支援するため、トンネル専門家9人をネパールに派遣したと29日に発表した。国営中央テレビ(CCTV)が報じた。

インドは医療・トンネル救助チームの11人を送り込んだ。インドのジャイシャンカル外相はXで、救助・支援活動に必要な物資と「技術的能力」を搭載したインドからの4便目の航空機がネパールの首都カトマンズに到着したと発表した。
アジアで最も貧しい国の一つであるネパールはヒマラヤ山脈に位置し、イラン戦争に伴う燃料費の上昇に加え、観光の低迷や成長鈍化にも圧迫されている。
今回の災害は、シャハ首相(36)が直面する課題を一段と深刻にした。シャハ氏は今年、Z世代の不満の高まりを追い風に政権の座に就いた。カナル外相は29日、自国民と外国人の救出が政府の最優先事項だと述べた。
遠隔地での救助活動は、険しい地形や大雨に加え、さらなる洪水の危険によって難航している。泥やがれきで川がせき止められ、上流に新たな不安定な湖が形成されているためだ。専門家はこうした湖を注意深く監視している。一部では水位が急速に上昇しており、制御不能な形で水が堤防を越える恐れがある。


原題:Nepal Warns of More Floods as Rescue Efforts Risk Disruption(抜粋)
--取材協力:Nikita Koirala、Akriti Sharma、Kanupriya Kapoor.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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