ニューヨーク市では、住宅の新規供給見通しが縮小している。長引く住宅不足の解消に向けた取り組みにとって悪い兆候だ。

コーコラン・サンシャイン・マーケティング・グループがまとめた2026年供給見通しによると、2029年末までに年間平均1万3000戸の分譲住宅と賃貸住宅が市場に供給される見通し。これは過去10年間の平均1万3400戸を下回る。特に分譲住宅の供給は逼迫(ひっぱく)しており、マンハッタン全域とブルックリン、クイーンズの調査対象地域で新たに売り出される分譲住宅は11%減少すると予測されている。

同見通しによれば、2029年までに分譲住宅と賃貸住宅を合わせて約5万2000戸が供給される見込みだ。これは、市が住宅危機の解消に必要としている水準を大幅に下回る。マムダニ市長の市政は、ニューヨーク市では今後10年間に、全所得層を合わせて70万戸の住宅を追加する必要があると試算している。年間では約7万戸に相当する。

コーコラン・サンシャインのリサーチ・アンド・アナリティクス担当シニアバイスプレジデント、ライアン・シュライス氏は「これらの数字は間違いなく低く、市場が吸収できるとわれわれが考える水準、あるいは市場が必要としている水準を確実に下回っている」と述べた。

特に1平方フィート(約0.0929平方メートル)当たり1800ドル(約28万7000円)以下のエントリー価格帯の分譲住宅の供給は74%急減するとみられている。シュライス氏は、高止まりする金利が原因だと指摘する。高級物件以外の潜在的な買い手の需要を冷やしているほか、開発コストの上昇にも拍車をかけ、新規プロジェクトの採算確保を難しくしているという。その結果、新築分譲住宅は小規模化し、価格も上昇している。マンハッタンでは、1平方フィート当たり2400ドル以上の高級物件が約3000戸計画されているのに対し、マンハッタン中心部で計画されているエントリー価格帯の物件は約170戸にとどまる。

マンハッタンのデベロッパーが近年、新たに市場に投入している分譲住宅は年間1500戸未満で、通常1年間に販売される約1800戸を下回る。この需給ギャップは2019年以降、拡大している。同年に州の法律が改正され、賃貸住宅を分譲向け住宅に転換する手法が事実上終わったことも背景にある。こうした転換物件はかつて分譲住宅の安定した供給源となっており、通常はより手頃な価格で販売されていた。

代わってデベロッパーは、賃貸住宅への投資を強めている。世帯の約3分の2が賃貸住宅に暮らすニューヨーク市では、安定したキャッシュフローが見込めるためだ。2029年までに4万500戸を超える賃貸住宅が市場に供給される見通しで、開発中の計5万2000戸の約78%を占める。政府の優遇策もこの偏りを強めており、減税制度は主に賃貸住宅開発に有利な仕組みとなっている。一方、マンハッタン中心部でオフィスから住宅への転用によって生まれる約1万3000戸についても、賃貸住宅となる見込みだ。

原題:NYC’s Condo Pipeline Is Shrinking as Developers Favor Rentals

(抜粋)

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