(ブルームバーグ):モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントのビシャル・カンドゥジャ氏は、債券運用でトップクラスの実績を上げる投資家だ。カンドゥジャ氏は、ベッセント米財務長官が米国債利回りの上昇を抑えるため「何としても」対応する構えを示しているとして、米長期債の下落を見込むポジションを縮小している。
モルガン・スタンレーでブロードマーケッツ債券チームを率いるカンドゥジャ氏は、インタビューで、イールドカーブのスティープ化を見込む取引へのエクスポージャーを減らしたと明らかにした。この取引は30年債と5年債の利回り格差拡大を見込むもので、同氏はさらなる利益を得られる余地が小さくなったとみている。
同氏は「今は長期ゾーンに採算を度外視した買い手が現れているため、ポートフォリオにスティープナーのポジションを大量に持つのは難しい」と語った。
その買い手とは米財務省だ。同省は先週、市場で発行済みの10-30年債の買い入れ規模を少なくとも2倍に増やす計画を発表した。利回りのさらなる急上昇を防ぐ狙いがある。計画の発表以降、5年債と30年債の利回り格差は約10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)ベーシスポイント縮小した。

カンドゥジャ氏は「ベッセント氏は手の内を明かしているも同然だ」と指摘。同氏によれば、ベッセント氏の行動は「何としても」という局面に相当すると述べた。これは、2012年に当時のドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が、ユーロを守るために示した決意になぞらえたものだ。ドラギ氏による当時の介入は最終的に、欧州債務危機の沈静化に寄与した。
ベッセント氏が打ち出した予想外の増額計画は、財務省が既発債の買い戻し日程を公表してからわずか2週間後に発表され、長期債の供給減につながるとの見方から相場を下支えした。バークレイズのストラテジストは、買い戻しの増額分を年間640億ドル(約10兆2000億円)と試算する。これは現在の20年債と30年債の年間発行額の約15%に相当する。
カンドゥジャ氏はこの措置を「準量的緩和」と表現。財務省が市場からデュレーションリスクの一部を吸収しているため、こうした介入はリスク資産を押し上げる可能性もあると述べた。このため同氏は投資適格社債を積み増す一方、よりリスクの低い住宅ローン担保証券(MBS)を減らし、高利回りの新興国通貨に対するドル安を見込むポジションを取っている。
原題:Morgan Stanley’s Khanduja Trims Yield Curve Bets on Bessent Plan(抜粋)
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