(ブルームバーグ):カナダのカーニー首相は、トランプ米大統領がカナダ製品に新たに課す関税への報復について、政府が引き続き選択肢を検討していると述べた。一方、米国が「正しい姿勢」を取る場合は、通商協議を続ける用意があると付け加えた。
カーニー氏は、米国側との協議を通じ、トランプ氏が不公取る方正な条件によってカナダの主要産業である鉄鋼、アルミニウム、自動車を破壊しようとしていることが明らかになったと述べた。
24日にケベック州で記者会見したカーニー氏は「双方に利益をもたらす合意は可能だが、それはカナダの主権と独立を尊重し、互いに補完し合う強みを生かして、より良いものを築く合意でなければならない。短期的な利益のために関係を壊すようなものであってはならない」と語った。

カーニー氏の会見に先立ち、トランプ氏はカナダ製自動車への関税を1月1日から50%に引き上げ、自動車部品にも関税を課す方針を表明した。
今回の警告は、通商対立の大幅な激化を意味する。家具、プラスチック、合板、電気機器など約200億ドル(約3兆1800億円)相当のカナダ製品に対する米国の50%の関税が22日未明に発効したばかりだ。これを回避するための協議は21日に決裂し、双方が相手側に責任があると主張した。
カーニー氏は9月8日までに報復関税を発動すると表明しており、米国産の鉄鋼、乳製品、家電、農業機械、電子機器、パルプ・紙製品が対象となる。ただ、政府は詳細な対象品目のリストをなお策定中だ。新たな米関税の打撃を受ける産業への支援も約束している。
同氏は「交渉の場で、カナダを米国の子会社のように扱い、カナダの産業を米国の産業より不利な立場に置き、時間の経過とともにカナダ産業が絶えず逆風にさらされるような条件を設定しようとする姿勢は、われわれが受け入れられるものではない」と述べた。
「幅広い選択肢」
カーニー氏は24日の会見で、米国の通商攻勢に対しては、まず「前向きな」対応を取ることを選びたいと述べた。その一例として、カナダ産鉄鋼を使った新たな沿岸警備艇の建造を挙げた。計画はケベック州首相とともに発表した。
ただ、新たな米関税への報復について、政府は「幅広い選択肢」を検討していると説明。カナダが米国に輸出する重要鉱物やエネルギー、その他の品目を報復手段として利用する可能性について、何も排除していないと述べた。
カーニー氏は「報復措置の戦略的、象徴的な範囲は非常に重要だ」と述べ、「賢明な対応を取り、相手の弱点を突く必要があると思う」と語った。
カーニー氏は、米経済の規模がはるかに大きいため、米国に対して同額規模の報復関税を課すのは難しいと認めた。カナダはより対象を絞った形で報復せざるを得ないかもしれないと述べた。

「保護と支援」
一方、カナダ財務省が24日明らかにしたところによると、シャンパーニュ財務相、ジョリー産業相、ハイデュ労働相、ソロモンAI・デジタル革新相のエバン・ソロモン氏が、オタワ時間25日午前11時(日本時間26日午前0時)に記者会見を開き、国内の労働者と企業を「保護し支援する」ための一連の措置を発表する。
計画に詳しい関係者によると、国内対策には失業給付の拡充が盛り込まれる。また、関税の影響を受ける企業向けの融資も打ち出す見通しで、新型コロナウイルス禍の経済支援策に似た仕組みになるという。
原題:Carney Says US Wants to Destroy Canada Firms and He’ll Retaliate、Canada to Unveil Trump Tariff Response Including Loans, Benefits(抜粋)
(第12段落以降に国内対策に関する情報を追加して更新します)
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