トランプ米大統領は19日、ホワイトハウスに暗号資産(仮想通貨)業界の幹部らを招き、業界が最優先課題と位置づけるデジタル資産市場構造法案を可決するよう米議会に強く呼び掛けた。

トランプ氏は、いわゆる「クラリティー法案」が新たな技術分野で米国の優位性を維持するために不可欠だと強調した。会合には、コインベース・グローバルのブライアン・アームストロング最高経営責任者(CEO)、ジェミニ・スペース・ステーション共同創業者のタイラー・ウィンクルボス氏とキャメロン・ウィンクルボス氏、暗号資産交換業者クラーケンを運営するペイワードのアルジュン・セティ共同CEO、ロビンフッド・マーケッツのブラッド・テネフCEOらが出席した。

トランプ氏は「議会は次の一歩として、公正な内容のクラリティー法案を可決する必要がある」と発言。「これは非常に強力で、しっかりと構成された法案だ。これによって、われわれは中国に先んじ、他のすべての国にも先んじ続けることができる」と述べた。

トランプ米大統領はホワイトハウスに暗号資産業界の幹部らを招き、業界が最優先課題と位置づけるクラリティー法案を可決するよう米議会に強く呼び掛けた。

トランプ氏はさらに、米国は金融における「革命のまさに始まり」にあり、「すべての米国人に、より多くの雇用、機会、富を生み出す可能性」があると述べた。

トランプ氏は、暗号資産規制で業界寄りの姿勢を推進し、この分野を後押ししてきた。一方、業界幹部らは、クラリティー法案の審議が議会で行き詰まる中、これまでの成果を固められるか懸念を示している。

法案は上院で停滞している。トランプ氏自身がデジタル資産分野に関与していることもあり、倫理規定を巡って民主党と共和党が対立しているためだ。トランプ氏は2025年、暗号資産とミームコイン関連事業から14億ドル(約2200億円)を得たことを開示しており、これが大統領の最大の収入源となっている。

クラリティー法案が行き詰まっている中、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)は、暗号資産業界に規制上の明確性をもたらし得る措置を相次いで打ち出している。SECは、一部のデジタル資産について、証券登録届出書の提出を免除する提案を公表。この措置が事業の立ち上げや資金調達の段階にある企業を支援するとしている。

この日の会合には、CFTCのセリグ委員長とSECのアトキンス委員長も参加した。20日には、CFTCがイノベーション諮問委員会の初会合を開く予定だ。同委員会には、コインベースやロビンフッド・マーケッツに加え、予測市場のカルシとポリマーケットの幹部も名を連ねる。

上院は9月中旬の休会明けにクラリティー法案を再び審議する見通しだ。しかし、その日程では、11月の中間選挙までに法案を可決するために議会に残された時間はわずかしかない。業界首脳らは、議会が動かなければ、法案が宙に浮いた状態が続き、金融業界全体でデジタル資産の活用拡大が遅れかねないと懸念している。

ブルームバーグ・ガバメントが先月、ロビー活動の開示資料を分析したところ、大手暗号資産企業と業界団体は今年上期だけで連邦レベルのロビー活動にすでに数百万ドルを投じている。

原題:Trump Asks Congress to Pass Crypto Bill Alongside Executives(抜粋)

--取材協力:Olga Kharif、Scott Patterson.

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