(ブルームバーグ):アラブ首長国連邦(UAE)がイランとの経済関係の断絶を決めた。これに伴い、イランは重要な貿易ルートを失うことになり、同国経済への打撃は一段と強まる公算が大きい。
戦争が長期化する中、米国はイランへの経済的圧力を強めようとしており、最大の貿易相手国であるUAEによる禁輸措置は打撃をさらに深刻化させる可能性がある。UAEはイランの人々にとって主要な金融・ビジネス拠点としても機能してきた。
ドバイでは18日夕方、ミサイル攻撃の警報が鳴り、UAE国防省はその後、海上交通を標的にイランから弾道ミサイル2発が発射されたと発表した。イランは攻撃への関与を否定した。
UAE外務省はその数時間後、イランとの全ての貿易・金融取引を停止したと発表した。声明ではミサイル攻撃への言及はなかったが、「地域および国際的な平和と安全を損なう事態の悪化」が今回の決定につながったと説明した。
テヘランに拠点を置くコンサルティング会社アラ・エンタープライズの創業者、サイラス・ラザギ最高経営責任者(CEO)は「イラン企業は数十年をかけ、UAEで広範な商業ネットワークと人脈を築いてきた」と指摘。その上で、「その意味で、UAEによる禁輸措置は米国や欧州連合(EU)の制裁よりはるかに効果が大きく、イラン経済に一段と深刻な打撃を与える可能性がある」との見方を示した。
2月末の戦争開始以降、イランはペルシャ湾岸各地の米国の同盟国を攻撃してきたが、中でもUAEへの攻撃が最も激しかった。域内の広範囲に被害をもたらし、国際金融拠点としてのドバイの地位を脅かしている。ただ、イランとUAEは最近数カ月、緊張緩和を模索しており、6月には安全保障当局者による会合も開かれていた。
ドバイを拠点とする研究者・評論家のアブドルハレク・アブドラ氏は「今回の攻撃は、それまでに存在していた何らかの了解を破るものだった。UAEはもうたくさんだと言っている」とし、「イランと貿易したり、金融取引をしたりする必要はない」と語った。
米国は既に、ペルシャ湾とオマーン湾に面するイランの港湾を封鎖している。これらの港湾はイランの原油輸出や物資の輸入に不可欠で、封鎖によって経済危機が一段と深刻化し、インフレと貧困に拍車がかかっている。
イランはまた、世界で最も厳しい制裁を受けている国の一つで、長年にわたり米国による数千件の制裁措置の対象となってきた。これにより、事実上、国際銀行システムや世界経済の大部分から切り離されている。
戦争勃発とホルムズ海峡の事実上の閉鎖後も、イランとUAEの貿易がどの程度続いていたのかは不明だ。イランのタスニム通信は5月、UAEとの貿易関係に関する報告を公表し、輸入をUAEに依存することは「経済・食料安全保障上のリスク」になると警告していた。
原題:Iran Risks Losing Key Economic Lifeline With UAE Halting Trade(抜粋)
--取材協力:Peter Martin、Alex Dooler.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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