(ブルームバーグ):20日の日本市場は円が対ドルで158円台前半に上昇。米国財務省が長期国債の買い戻し額を倍増する方針を示し、米金利の急低下を受けドル売り・円買いの動きが広がった。債券は上昇(金利は低下)し、株式は反発している。
米財務省は19日、10年-30年物の米国債の流動性支援のため、買い戻し規模を少なくとも2倍に引き上げると発表。十数年ぶりの高水準に達していた米長期債利回りを抑え込むための新たな試みとなる。
三菱UFJ信託銀行ニューヨーク支店資金証券室の横田裕矢シニアバイスプレジデントは、米金利低下に素直に反応し「ドル売りに拍車がかかった」と指摘。節目の158円を割り込めば、円を売って高金利通貨を買うキャリートレードの巻き戻しなどポジション調整が続く可能性があるとの見方を示す。
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは20日のリポートで、「日米中心に債券市場の安定感が強まるかが焦点」とし、「目先はドル・円が160円を試す機運は低下しそうだ」と予想した。
債券
債券は上昇。米長期金利が急低下した流れを受けて買いが優勢となっている。きょうは20年利付国債入札が予定され、発行予定額は7000億円程度。長期国債先物9月限は一時前日比35銭高の126円77銭に上昇。新発20年国債利回りは7.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下がり、3.7%に低下した。
三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャーは、 米財務省の買い戻し増額は米国債の需給を大きく変える規模ではないものの、当局が長期金利上昇への警戒を示した点でインパクトがあると見ている。一方で、財政政策が変わるわけでもなく、中長期的には米国債による資金調達への警戒が再び強まる可能性も指摘した。
20年債入札に関しては規模も大きくないため、大口投資家の動向が結果を左右するが、「無難だろう」と予測。「前日に先回り買いが入ったようで、入札後は買いがそれほど続かない」と話している。
株式
株式は反発。米財務省の国債買い戻しの増額方針を受け、今週に入ってから相場の重しとなっていた長期金利の上昇に対する懸念が後退した。
不動産や情報・通信、小売り、電気・ガス、医薬品など内需・ディフェンシブセクター中心に高い。不動産など高有利子負債業種は金利低下が好感され、医薬品は米モデルナ株の上昇も投資家心理面でプラスとなった。トヨタ自動車など輸送用機器株も上昇。半面、米半導体株の下げが重しとなり、東京エレクトロンやイビデンなどは軟調。
野村証券の伊藤高志シニア・ストラテジストは、米国の国債買い戻し増額はベッセント米財務長官が長期金利の上昇を警戒しているサインとして安心感があったと分析。ただし、AI関連企業の社債発行に伴う需給懸念など「根本的な問題に対する解決策ではない」とも述べた。
東証株価指数(TOPIX)は前日比0.9%高の4046.80まで上昇し、日経平均株価の上げ幅は一時700円を超えた。
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