(ブルームバーグ):イーロン・マスク氏率いる米宇宙開発企業スペースXは、コード生成などを自動で実行する自律型AIエージェントの開発を手掛ける米コグニションAIに対し、買収の可能性を打診したが、同社は応じなかったもようだ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
スペースXは今年6月、AIコーディングのスタートアップ、カーソル(Cursor、正式名称はAnysphere)買収で合意したと発表。コグニションAIとの取引が実現していれば、AI開発競争の優位確保に向け、最近数カ月で2件目の大型買収案件になるはずだった。
非公開情報を理由に関係者が匿名で語ったところでは、コグニションAIがスペースXのコンピューター計算能力を利用できるようにする案も含め、提携に関する協議が今も続いているという。
コグニションAIは、コードの作成からテスト、実行までプログラム開発の工程を自動化するAIツール「Devin」の最新バージョンを今年リリースした。コード生成のAIエージェントは、業界で最も注目を集める分野の一つであり、投資家らは主要プレーヤーへの出資に動いている。
ブルームバーグ・ニュースが先に伝えたところでは、コグニションAIは、新たな資金調達ラウンドに向け投資家と初期段階の交渉を進めており、同社の企業価値は400億ドル(約6兆3200億円)以上と評価される可能性がある。5月の資金ラウンドでの評価額は260億ドルだった。
今回のスペースXの動きは、AI分野の競争に巨額の資金を投じるマスク氏の意欲を浮き彫りにする。スペースXが6月に600億ドルの評価額で買収したカーソルは、代表的なAIコードエディター(編集ツール)を提供し、AIがプログラミングコードを自動生成・修正する「バイブコーディング」時代をリードするスタートアップとして知られる。
AI分野の成長は、マスク氏のスペースX戦略の重要な柱と言える。同社はロケット、衛星通信、コンピューティングを統合した複合企業に変貌を遂げ、今夏には過去最大の新規株式公開(IPO)を実施した。
スペースXとコグニションAIにコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。スコット・ウー最高経営責任者(CEO)は19日、ブルームバーグの報道に応える形で、「(会社は)売却対象ではなく、交渉も行っていない」とソーシャルメディアに投稿した。
原題:SpaceX Attempted to Acquire AI Coding Startup Cognition(抜粋)
--取材協力:Ryan Gould.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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