(ブルームバーグ):トランプ米大統領の側近の1人が、ホワイトハウスと民主党のオソフ上院議員の激しい対立の渦中に置かれ、異例の脚光を浴びている。オソフ氏が、この側近と大統領との関係の親密さにスポットライトを当てたことで、政権の怒りを買った。
大統領のエグゼクティブアシスタントを務めるナタリー・ハープ氏(35)は、一般にはほとんど知られていない。だが、ホワイトハウス内でも週末のゴルフ施設への外出時でも、常にトランプ氏のそばにいる。トランプ氏が目を通すニュース記事やSNS投稿、メッセージを選別する役割を担い、情報へのアクセスを管理する「門番」とみられている。
ハープ氏が注目を浴びることになったのは、先月トルコで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を終えて帰国する際、大統領専用機から別の軍用機に乗り換えたトランプ氏に同行した数少ない人物の1人だったと報じられたのが契機だ。
秘密裏の乗り換えはイランからの脅威を受けたとされる措置で、閣僚や上級顧問、軍関係者、記者らは事情を知らされないまま大統領専用機で移動することになった。

この一件を受け、トランプ氏とハープ氏との関係や、ハープ氏が持つ重要な影響力に厳しい目が向けられた。ホワイトハウスの迅速で激しい反発からは、ハープ氏を守るためにトランプ氏と側近が強く踏み込む用意もうかがえる。
オソフ氏は11月の中間選挙で再選を目指し、2028年大統領選の民主党候補となる可能性も取り沙汰される。
オソフ氏は16日の集会でトランプ氏について、最高司令官としての職務に集中する代わりに、カタールから贈られた豪華な大統領専用機で「ナタリー(ハープ氏)と移動する」ことに満足していると批判。この発言は政権の痛いところを突いた様子だ。
ホワイトハウスのスティーブン・チョン広報部長は17日、X(旧ツイッター)への投稿で、「国に仕える勤勉な人々をおとしめるのではなく、ジョン(オソフ氏)は自分の心の奥底を見つめ、なぜ自分がこの国を憎む惨めな人間なのか自問すべきだ」と反論した。
また、ホワイトハウスのイングル報道官は声明で、ハープ氏について「トランプ大統領のチームで最も忠実かつ勤勉な側近の1人だ」と評した。
あだ名は「人間プリンター」
ハープ氏が初めてトランプ氏の側近となるきっかけを得たのは19年のことだ。未承認の特定の医療行為を患者が受けられるようにする法案にトランプ氏が署名したことを称賛した。ハープ氏によると、この措置により自身も骨がんの実験的治療を受けることができた。
ハープ氏は20年の共和党全国大会で演説し、右派系のワン・アメリカ・ニュース・ネットワーク(OANN)で短期間、司会者を務めた後、22年にトランプ氏の個人秘書となった。
24年大統領戦ではトランプ氏の各地への遊説に同行し、同氏が好むニュースの読み方に合わせ、目を通すための資料を印刷していたことから「人間プリンター」とのあだ名が付いた。米紙ニューヨーク・タイムズの記者、マギー・ハバーマン氏とジョナサン・スワン氏によると、ハープ氏の大統領への献身ぶりは非常に強い。
両氏の著書「Regime Change: Inside the Imperial Presidency of Donald Trump」の抜粋によると、ハープ氏の仕事の一つは、トランプ氏に好意的なニュース記事やSNS投稿を絶えず提供することで、「ハープ氏が声に出して読み上げることも多い」とされる。また、ハープ氏が「トランプ氏を熱烈に慕う手紙を書き、同氏の私的な空間に置いていた」とし、そのうちの1通には「私にとって大切なのは、あなただけです」と記されていたという。
2人の関係性を巡っては、大統領のメラニア夫人が表舞台に姿を見せる機会が比較的少ないことにもあらためて注目が集まっている。メラニア夫人は以前から公の場に出る日程を大幅に絞ってきたが、最近も注目度の高い行事を幾つか欠席している。
原題:Natalie Harp, Trump Gatekeeper, Is at Center of Jon Ossoff Clash(抜粋)
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