「骨太ショック」で財務省が巻き返し、積極財政は現実路線へ
読売新聞は8月15日、「政府は、食料品を対象にした消費税減税と新たな給付制度の創設に関する法案を一本化し、秋の臨時国会に提出する方向で調整に入った」と報じた。
消費税引き下げ議論の方向性が概ね決まった格好だが、2年間の消費税引き下げによる「つなぎ」の後に本格導入されることになったのが、「給付制度」となったことは重要だろう。
高市首相は7月30日の会見で「私が最初に申し上げていた『給付付き税額控除』の理想形・最終形については、『給付』と『税額控除』を組み合わせるということも含め、『制度の将来像』について、継続して検討を行ってまいります」と述べたものの、税額控除については後回しとなった格好である。
当初より、税収減につながり得る税額控除には財務省が反対しているとされてきた。消費税引き下げが実施される方向であることは高市政権の狙い通りと言えそうだが、「経済状況次第で減税を継続する『景気条項』も盛り込まない」(読売新聞)とされたことや、税額控除の議論は進まなかったことを考慮すると、財務省の意向もかなり反映されたのではないだろうか。
高市政権が市場の安定のために財務省の意見を無視できなくなってきている可能性が高い。積極財政は徐々に現実路線に向かっていくと、筆者はみている。
(※情報提供、記事執筆:大和証券 チーフエコノミスト 末廣徹)