ニュージーランド(NZ)の住宅価格は9月に約5年半ぶりの低水準に下落した。2022年初めに始まった低迷が長期化しており、景気回復のけん引役となる国内需要の先行きにも影を落としている。

不動産コンサルティング会社コタリティが1日発表した住宅価格指数は、8月から0.3%低下し、21年1月以来の低水準となった。過去12カ月で1.3%下落し、22年1月のピークを19%下回っている。

今回の結果は消費者心理の重しとなりそうだ。燃料費の急騰や失業率の上昇にすでに直面している家計への圧力を一段と強め、個人消費を低調な状態にとどめる可能性が高い。家計資産の目減りは11月の選挙を前に有権者の不満を高める可能性もあり、連立政権にとって新たな課題となる。

コタリティのチーフ不動産エコノミスト、ケルビン・デービッドソン氏は、「経済の先行き不透明感が、住宅市場全体の信頼感を圧迫する主因であり続けている」とし、「その結果、売買活動は低調なままで、価格の動きにはばらつきがある」と指摘した。

コタリティによると、今回の住宅市場の低迷は世界金融危機後の落ち込みよりもはるかに長期化する見通しだ。NZの住宅価格は当時、10%下落したものの、5年足らずで危機前の水準を回復した。

財務省は今週、住宅市場の短期見通しを下方修正した。現在、27年6月までの12カ月間の住宅価格上昇率を0.6%と予想しており、5月の予算で示した4%上昇から大幅に引き下げた。

銀行のエコノミストの多くも同様に小幅な上昇を見込む一方、NZ準備銀行(中央銀行)は先月、27年6月までの1年間に住宅価格が下落すると予想した。

世界的な燃料価格ショックが国内物価を押し上げる中、インフレ圧力に対抗するため、中銀は年内に少なくともあと1回利上げすると予想されている。早ければ10月にも実施する可能性がある。

デービッドソン氏は、住宅ローン金利の高止まりや経済の先行き不透明感、売り出し物件の多さを背景に、住宅価格の上昇は当面抑えられる可能性が高いと述べた。

同氏は、「労働市場の状況と雇用の安定性がより実質的に改善するまでは、住宅価格が持続的に上昇する可能性は低い」と指摘。「現時点では、価格が着実に上昇する局面に戻るのはまだかなり先になりそうだ」と述べた。

原題:New Zealand House Prices Fall to Lowest Since Early 2021(抜粋)

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